鴉 ページ12
｢そいつはこちらに渡して貰おう。｣
雪菜の声援を受けて復活した桑原の活躍もあって浦飯チームは見事勝利を収めていた。
しかしAは未だ気を失ったままで、部屋に連れて帰ってベッドに寝かせてやろう…という話になり比較的元気な浦飯がAを抱き上げた時、そいつは現れた。
｢…誰だ、てめぇ。｣
｢聞こえなかったのか。｣
真っ黒な衣装、真っ黒な髪…
｢こちらに渡せと私は言ったんだ。｣
戸愚呂チーム、鴉である。
｢浦飯さん、ご苦労お掛けしてすいません。降ろして頂ければ自分で…鴉さん、わざわざありがとうございます。｣
浦飯はお、おうと返答に詰まりながらも知り合いなら…とAを降ろす。
｢十八か。｣
Aが地に足を着けたと同時くらいのタイミングで先程より随分近くから聞こえた鴉の声に、浦飯達は思わず1歩後ろに引く。
…早い、見るどころか気づくことさえ出来ないほど。
警戒を強める浦飯チームになど目もくれず鴉は自らがたくしあげたAの袖を直す。
その隠されていくAの腕で、大きく咲き誇る花を見た一同は目を丸くした。
｢人間は脆い、気を付けることだな。｣
｢はい。｣
Aの腕に描かれたオオツルボの花の数は全部で35。
そのうちの18…つまり、Aは一気に半分以上の霊力を使ったのだ。
浦飯達のように使うことに慣れているなら大したことはないかもしれないが…やはり少し普通ではない程度の少女では耐えられるだけでもすごい事だと言える。
｢戻るぞ。｣
｢…それでは、また。｣
鴉に抱えられ、2人はその場から姿を消した。
覆面以外には…きっと残像さえ見えなかったことだろう。
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もこ(プロフ) - シンアさん» ありがとうございます！更新、遅くなってすみません…… (2019年5月26日 23時) (
レス) id: fb2eac157c (このIDを非表示/違反報告)
シンア - 続き気になります(*⌒▽⌒*)更新楽しみにしてます(*⌒▽⌒*) (2019年5月17日 13時) (レス) id: f6e4c29514 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もこ | 作成日時：2019年4月18日 1時
