後輩注意報発令しました。【月島蛍】

注意報4 ページ5

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……帰り道、







「Aさん！今日の俺のスパイクどうでしたか！」



『前より全然良くなってるよ。速攻も良かったと思うし、頑張ってるね日向。』





私がそう言えば、彼は嬉しそうに笑みを浮かべる。


なんだ、この可愛いすぎる生き物は。


ここにやっちゃんがいたら、私はもう死んでもいいかもしれない。


まぁ、今日は家の用事で部活に来なかったから元も子もないのだけれど。


それに比べて、あの背高のっぽは……





「運動音痴のくせに、そんなこと分かるんですか？」



『……そりゃあね、見てるからねぇ。』





ほんとに、可愛くもなんともない。


こっちだって、ただ部員の為に尽くしている訳じゃない。

一番近くで、動きと技術を見てアシスト出来るようにしている。

だなら別に運動もバレーも出来なくったって
そのくらい分かる。





『日向は初心者なりに努力して、いつも頑張ってるでしょ。山口も、サーブって言う1つの武器磨いてるし。たまには君も努力してみたらどーですか。』



「……じゃあ、先輩ももう少し力をつける努力したらどうですか？いつも僕が手伝ってあげてますもんね。」





そうだ、コイツはこうやって人の痛いところつくのが得意なんだった。


分かっている。分かっているけれども……




『別に頼んでないし！』



「あれー？今日、こっち側持ってください。って言った人誰でした？」



『ハイ、私です。私が悪うございましたっ。』





やっぱりムカつく。


私、一応先輩なんだけれども。


ま、この男にはそれが通用しないということか。




「もっと早く認めれば良いんですよ。」



『そーですね。すみませんでした。』



「……ほんと、ムカつく顔しますね。」



『いだっ…ちょっと、頬つねるな！』




笑いながら、月島は私の頬を人差し指と親指ではさんでつまむ。


しかも、してやったりみたいなその顔を下から眺めないといけないのがまたより腹立たしい。




「うわ、柔らかすぎません？」



『かたいよりはいいでしょ！』



「運動しないから太るんですよ。」



『……っうるさい！』





はい、太っててすみませんね。


運動しなくてすみませんね！







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