注意報25 ページ26
·
部活が終わる数分前、私は流しでひたすらボトルを洗っていた。
あの後、少し練習風景を見ていたのだが、
潔子さんに頼まれたので、抜けてこっちに来たという訳だ。
1人で洗うのは暇なので、友達の言うイケメンとやらを考えてみるのだが、
やはり私にはイマイチ分からない。
『ほんと、イケメンってなんなの。あぁ、訳わかんない……ん、うわっ!?』
バシャバシャと水を出して、そんな事を考えながら洗っていれば、
出しすぎていた水がボトルに弾かれ、
顔からモロに水を被り、ずぶ濡れになった事は言うまでもない。
『へっくしょんっ!……うわっ、Tシャツビッチョビチョ……。』
どうしよう……濡れてて気持ちが悪いな。
そう思っていると、背後から聞き慣れた声が聞こえる。
「先輩、部活終わりました……て、何してるんですか。」
その声に振り向くと、そこに居たのはやはりあの背高のっぽ。
肩に白いタオルをかけ、額に少し汗を流している。
『あぁ、月島。見て見て、ボトル洗ってたら濡れちゃった笑』
「何すればそんなに濡れるんですか……」
『ちょっと考え事してて……へっくしょいっ…!』
そんな私を見ると、月島は浅いため息を吐いた。
そして、少しかがみながら、肩にかけていたタオルを手に取り、私の頭をふわりと包む。
『……それ、月島のタオル。』
「だから何ですか。使ってないんで大丈夫ですよ。」
『いや、それは良いんだけど……』
「なら黙っててくれますか。風邪ひきますよ。」
そう言いながら、私の頭を乱雑にタオルで拭く。
その顔は、なんだかいつもより穏やかで、
優しげな顔をしていた。
『……ありがと。』
「どういたいまして。」
拭かれながら、私が言うと
彼は目は合わせずに返事をする。
その声はいつもと同じ月島の声で、
かぜだか、それに酷く安心したように思えた。
·
583人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
流南涙(プロフ) - せなさん» ありがとうございます!!これからもよろしくお願いします!! (2018年10月20日 21時) (レス) id: 922addf14e (このIDを非表示/違反報告)
せな - 続編おめでとうございます!!!面白いです!!! (2018年10月20日 12時) (レス) id: d379028483 (このIDを非表示/違反報告)
流南涙(プロフ) - 誉loveさん» わざわざコメントありがとうございます!ツッキーイケメンですよね笑続きが早く更新出来るよう頑張りますので、これからもよろしくお願いします! (2018年10月14日 8時) (レス) id: 922addf14e (このIDを非表示/違反報告)
流南涙(プロフ) - 俺の愛は前野さんのためにあるさん» コメントありがとうございます!そう言ってもらえて嬉しいかぎりです!更新頑張りますので、是非ともよろしくお願いします! (2018年10月14日 8時) (レス) id: 922addf14e (このIDを非表示/違反報告)
誉love(プロフ) - 流南涙さん» ツッキー好きなので続き気になります!!ツッキーイケメン (2018年10月13日 22時) (レス) id: dc35ad2dcd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ