注意報12 ページ13
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ピッピーっという笛の音で、ピタリと張り詰めた雰囲気がおさまった。
結果は、2セットとも烏野が取り圧勝。
やはり、日向と影山の変人速攻には相手も対処出来なかったようだ。
外野的にはまんまと翻弄される姿がとても面白かった。
「「「ありがとうございました!!」」」
練習試合だったが、みんなすっきりした表情をしている。
やっぱり、勝てれば嬉しいもんね。
「A〜!!ドリンク!」
『ハイハイ、ちょっとお待ち。』
ノヤは汗を拭いながら、私にそう言う。
リベロは動くからね。大変だ。
『どーぞ。お疲れ、ノヤ。』
「サンキュー!ま、全部拾えた訳じゃねーから、もっと磨かないとな。」
『流石ノヤ。そういう所好き。』
「じゃあ付きあっ」
『そういう所嫌い。』
「クソぉお!!」
床にへばりつきながら言うノヤに、私はタオルを落とす。
全く、調子が良すぎて困るよ。
なんて事を考えていると、
後ろから、ノヤとは対照的な落ち着きのある声が聞こえた。
「……あの、ドリンクもらえますか。」
『あぁ、月島。ちょっと待って。』
そこに居たのは、額に汗を流して何時もより気だるげな月島。
私はドリンクとタオルを手に持って月島に渡す。
『はい、どうぞ。』
「……ありがとうございます。」
『いいえ。』
今日はやけに静かだな。
普段ならすぐに突っかかってくるのに。
あぁ、疲れているのか。
誰しも、日向の様に底無しの体力を持っているわけでもないし。
まぁ、日向にだって底はあるだろうけど。
『……疲れた?』
「……当たり前のこと聞かないでくれませんか。」
『ハイハイ、すみませんでしたー。』
そう言って、月島はドリンクを飲む。
『月島、手出して。』
「……はぁ?何でですか。」
『いいから、手の平こっちに向けて。』
「……こうですか。」
怪訝そうな顔をしながらも、月島は私の方に手の平を向ける。
私はそれに向かって思い切り、自分の手を叩きつけた。
パチンと、綺麗な音が辺りに響く。
『ブロック綺麗に決まったからね。ハイタッチ。』
「え……?」
『お疲れ、月島。』
私は、手を重ねたままそう呟く。
「っ……どうも。」
『あら、素直で良いですね。』
「何なんですか、ほんと……」
そう言ってそっぽを向く月島が
今日はなんとなく、可愛く見えた。
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流南涙(プロフ) - せなさん» ありがとうございます!!これからもよろしくお願いします!! (2018年10月20日 21時) (レス) id: 922addf14e (このIDを非表示/違反報告)
せな - 続編おめでとうございます!!!面白いです!!! (2018年10月20日 12時) (レス) id: d379028483 (このIDを非表示/違反報告)
流南涙(プロフ) - 誉loveさん» わざわざコメントありがとうございます!ツッキーイケメンですよね笑続きが早く更新出来るよう頑張りますので、これからもよろしくお願いします! (2018年10月14日 8時) (レス) id: 922addf14e (このIDを非表示/違反報告)
流南涙(プロフ) - 俺の愛は前野さんのためにあるさん» コメントありがとうございます!そう言ってもらえて嬉しいかぎりです!更新頑張りますので、是非ともよろしくお願いします! (2018年10月14日 8時) (レス) id: 922addf14e (このIDを非表示/違反報告)
誉love(プロフ) - 流南涙さん» ツッキー好きなので続き気になります!!ツッキーイケメン (2018年10月13日 22時) (レス) id: dc35ad2dcd (このIDを非表示/違反報告)
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