注意報10 ページ11
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『……試合してる時、何思ってるの?』
「別に、何も……。」
ノートを書きながら、私は月島に問う。
が、やはりそんな冷めた答えしか返ってこない。
うん、そんな事だろうとは思ってた。
でも予想通り過ぎて、なんかつまらない。
「……なんで貴方がつまらなそうな顔するんですか。」
『いや、答えが予想通り過ぎて。』
「じゃあ聞かないでくれません?」
月島はため息を吐きながら、指にテーピングを巻き始める。
MBだから、負傷も多いのだろう。
『やってあげよっか。』
「……先輩不器用そうですよね。」
『見かけによらず器用な方ですよ!ほら、貸して。』
「……そうですか。」
月島の手を握り、私は彼の長い指を1本ずつ丁寧にテーピングを巻いていく。
裁縫も料理も得意な程、私は手先が器用なんでね。
テーピングなんか朝飯前だ。
『……よし、はい終わり。平気?』
「まぁ、大丈夫です。」
『まぁって何よ。素直じゃないな。』
改めて、月島の手を見ると
やはり大きくて少し骨ばっている。
綺麗な顔してても、やっぱり男子だなぁと、改めて思った。
そして、なぜだか先程のノヤや龍、日向とのハイタッチが頭に浮かんだ。
『……ねぇ。』
「今度は何ですか。」
『試合終わってハイタッチとか、したことある?』
「……いや、無いですけど。」
『やっぱり、悲しいね。』
「さっきから何なんですか……」
そう呆れたように呟いた月島の両手を手を、私はおもむろに掴む。
そして、左右の手が丁度重なる様に手を握った。
「っ……はぁ?ちょっ、なにしてるんですかっ。」
『え?……ハイタッチ、てきな?』
「いや、てきなって、なっ……」
『だって、月島が手を広げてないから。握るしかないじゃん。』
ハイタッチは、お互いの手の平を合わせるもので、
月島が綺麗に手を開かない場合無理に決まっている。
『だから、ほら。ハイタッチもどき。ハイタッチしたくなったら、いつでも私がしてあげるよ。』
「……ほんと、だから天然は困るんですよ。」
『……天然?誰が。』
「さぁ、誰でしょーね。」
そう言うと、月島は私の額に軽くデコピンをする。
『いたっ……やったなコノヤロウ。』
コートへと歩き始める月島の背に向けて、
私はそう呟いた。
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流南涙(プロフ) - せなさん» ありがとうございます!!これからもよろしくお願いします!! (2018年10月20日 21時) (レス) id: 922addf14e (このIDを非表示/違反報告)
せな - 続編おめでとうございます!!!面白いです!!! (2018年10月20日 12時) (レス) id: d379028483 (このIDを非表示/違反報告)
流南涙(プロフ) - 誉loveさん» わざわざコメントありがとうございます!ツッキーイケメンですよね笑続きが早く更新出来るよう頑張りますので、これからもよろしくお願いします! (2018年10月14日 8時) (レス) id: 922addf14e (このIDを非表示/違反報告)
流南涙(プロフ) - 俺の愛は前野さんのためにあるさん» コメントありがとうございます!そう言ってもらえて嬉しいかぎりです!更新頑張りますので、是非ともよろしくお願いします! (2018年10月14日 8時) (レス) id: 922addf14e (このIDを非表示/違反報告)
誉love(プロフ) - 流南涙さん» ツッキー好きなので続き気になります!!ツッキーイケメン (2018年10月13日 22時) (レス) id: dc35ad2dcd (このIDを非表示/違反報告)
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