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『……年下は、ナシかなぁ。』
そう言って笑ったあなたの顔は、
見たこともないほど、綺麗だった。
……分かっていたことだ。
この人は、そういうタイプだということくらい。
なんだかんだ、こうして話していればわかる。
だけどやはり、面と向かって言われると
こんなにも、こたえるものなのか。
『赤葦くん……?』
「……すみません。」
俺は、すぐに平然をよそおい彼女に言う。
やめてくださいよ、先生。
そんな心配そうに、俺を見るの……。
「……なんで、年下はナシなんですか?」
『……え?』
「これは、俺の純粋な興味です。答えなくても構いません。」
ここまで来たら、いっそ聞いてしまえ。
やけだ。俺らしくもない。
でもこれで、彼女を諦めることができるのならば、それはそれで構わないし、
今のこの感情が、何一つ変わらないのならば、
それもそれで構わない。
彼女は一瞬、目を見開いてから
俺の方を見て、その紅い唇をゆっくりと開く。
『……1個下くらいじゃ、大差ないけど。年が離れるにつれて、やっぱり可能性は変わるものでしょ?』
そう言うと、彼女はにっこりと微笑む。
それは優しく、俺の大好きな顔。
『若い人達にはね、素敵な未来がたくさんあると思うの。だからこそ、私を選んで失敗して欲しくないのよ。生徒にお世話されてるような、ダメ女なんか選んだら、幸せになれないもの。』
……それは違う、そうじゃない。
俺はあなたが好きだから、近くにいる
したくてやってることなんだよ。
まったくもって迷惑じゃないし、
ダメな
「年下でも……あなたを選んで幸せだと思う人だって、いると思いますよ。」
『ふふ……赤葦くんは、お世辞が上手いのね。』
……だって、俺はそうだから。
でも、あなたはお世辞としかみなしてくれない。
教えてください……A先生。
どうしたらあなたは、
俺を、大人と認めてくれるんですか……?
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流南涙(プロフ) - ハクさん» そう言ってもらえて嬉しいかぎりです!わざわざコメントまでありがとうございます! (2019年3月28日 18時) (レス) id: 922addf14e (このIDを非表示/違反報告)
ハク - 赤葦の新たな一面が見れた気がします! 面白かったです! (2019年3月28日 16時) (レス) id: ce8572a894 (このIDを非表示/違反報告)
流南涙(プロフ) - 崔さん» 最高だなんて……ありがとうございます!更新頑張りますのでよろしくお願いします。 (2019年3月27日 22時) (レス) id: 922addf14e (このIDを非表示/違反報告)
崔(プロフ) - 最高です…。これからも応援してます。 (2019年3月27日 21時) (レス) id: a6c3821a9f (このIDを非表示/違反報告)
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