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宮舘side

照「舘さんのご飯が食べたい」

病院から帰ってきた照は、開口一番にそう言ってくれた。



最期は家で過ごすことになった。
本人たっての希望で、俺らは大歓迎だった。

入院した時よりも、遥かに多くなった荷物と共に帰ってきた。彼のベッド周りは医療関係の用具と、変わる変わる部屋に来る仲間でいっぱいになる。

帰ってきたその日、照から皆に話があった。

照「先生に、年を越すのは難しいかもしれません、と言われている」

誰かの頭が、リビングの壁にかかったカレンダーを見上げた。

今年も終わりまであと、1ヶ月と少し。
照にとっては、最後の1ヶ月。

照「あと少し、楽しく過ごせたらそれでいい」

涙で濡れる皆の顔を見渡して、それで十分なんだ、と照は言っていた。


それから数日後、こんばんは、と3人の声が重なって玄関に響いた。

向井先生と目黒とラウール。みんなでご飯を食べよう、という話になって3人を呼んだ。

目「え、…照くんだ、」

照が帰ってきたことは話していなかった。
サプライズが成功したことに、ソファーに座る照の口角がきゅっと上がる。

「温かいうちに食べようか」

テーブルの中央に用意した、鍋が乗ったコンロの火をつけた。

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作者名:ハルタ | 作成日時:2021年7月2日 13時

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