検索窓
今日:3 hit、昨日:22 hit、合計:64,942 hit

7 ページ35

佐久間side

結局、うちでは検査ができないのでここに行ってくれの言葉と、紹介状のセットは総合病院でも行われ、その次の病院でも行われ、最終的にたどり着いた大学病院は、幸か不幸かふっかと同じところだった。

昨日の夜、誰が付き添いで行くかと話をしていたところ、照直々にご指名を頂いて、今日来たという訳。



初めて踏み入れた検査棟。

各階の色んなところに色んな科が並び、診察室は20を超える。それが廊下一面にズラっと横並びにあるものだから、規模の大きさが分かるだろう。

白が基調の院内には大きなガラス窓が一面に貼られていて、清潔感を醸し出すが、反射した光が目に痛い。

隣に座る照の顔は真っ青で、俯いて唇を噛み締めている。やっぱりここに来ることは抵抗があるようで、受付時間のギリギリまで阿部ちゃんのお店にお邪魔して、帰りも寄ってねと言われていた。

前回は見舞い客として、今回は患者として。

彼が旅に出てから1年も経っていないのに、体調も立場も全て変わってしまった。



岩本さん、診察室20番にどうぞ。と、天井のスピーカーから声がした。

照は、少しだけ肩をはね上げて、ゆっくりと立ち上がると廊下の真ん中でこちらを一瞥(いちべつ)する。

「大丈夫、待っているから。頑張ってきて。」

そう言えば少し息を吐いて、診察室のドアの向こう側に消えていった。

8→←6



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (90 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
241人がお気に入り
設定タグ:SnowMan , 病系
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ハルタ | 作成日時:2021年7月2日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。