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ラウールside

阿部くんが予約してくれた、近所の小さな内科に来た。

いつも付いてきてくれているめめってこんな気分なのかなと、目の前の閉じられた診察室のドアを見上げながらそうと思う。自分のために来ない病院は、あまりやることが無くて時間をもてあますが、でもやっぱりどきどきしてしまう場所だとわかった。

少し前に呼ばれた照くんは、緊張の面持ちで一人で入っていった。待ち時間に、中までついていきましょうか?と問えば、大丈夫だ、でも待っていてほしいと答えた。

照「…ありがとうございました。」

青い顔をした照くんが、診察室から出てきて待合室の長椅子の俺の隣に座った。

「お疲れ様です。…具合悪くなっちゃいましたか?」

照「あ、いや…」

と、彼の返事は歯切れが悪い。じゃあなんだ?と頭を回転させていると、受付から看護師さんがこちらにやって来る。

「お連れ様ですか?」

「…あ、はい。」

「これ、先程ご案内した病院と、紹介状です。午後の受付開始が14時からなので、間に合うように向かってください。」

と、丁寧に病院のホームページが診察された紙と、少し厚い封筒が手渡された。それを僕が受け取ると、忙しいそうにまた受付へと看護師さんは戻っていく。

渡された封筒と印刷された紙を、ただ眺めることしか出来なかった。封筒の窓から見える宛名欄には、達筆で◇科紹介状と書かれている。

照「…なんか引っかかる所があるらしくて、ここでは診れないから、午後からそこに行ってくれって、」

と、照くんの指が病院のホームページを印刷した紙を指した。

それは、街の中心にある総合病院だった。

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作者名:ハルタ | 作成日時:2021年7月2日 13時

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