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和室にいた彼らが戻って来ることで、できた一瞬の隙間に、紫の光がチラリと反射した。
自分の心臓が、今はうるさく聞こえる。
照「まさか、」
あんなに綺麗に光を弾くのは、「包み紙」なんじゃないかと。確か、プラスチックに濃い紫が印刷されていた。ラメを帯びたその造りは、光を反射するのに持ってこいだった。
舘「翔太達、降りてきてたの、あ、挨拶してね。」
互いに挨拶を交わす。泣いていた彼はラウール、背中を摩っていたのは目黒という子だった。
「…ねぇ、ひとつ聞いてもいい？」
まだ目が潤むラウールに、目線を合わせる。
「さっき上着から取り出した、お守りって…」
これです、と彼が見せてくれたのはやはり、「包み紙」だった。
照「なんで君がそれを、」
俺らが気になっていたことを、照は代表して言ってくれた。ふっかしか持っていない、その飴の包み紙を、なぜ彼が持っているのか。
ラウ「学校で涙が止まらない時に、ふっかさんにマジックしてもらって、それで、」
くれたんです、と、その日のことを思い出したのか、彼の言葉の最後は、また涙声に戻っていた。
照「…手のひらから、飴が出てくるやつ。」
ラウ「…それです。なんでそれを、」
くりくりの大きな目が、こちらに向けられる。曇っていない綺麗な眼は、俺のそれとは全く違うものに見えた。
照「俺も、してもらってたから。」
ラウ「ふっかさん言ってましたよ、『うちに泣き虫がいるんだ』って、」
照「へぇ、あいつそんなことを。」
目「そのときラウール、ふっかさんに、『誰かを泣き止ませるのが得意なんですか？』って聞いたんです。」
阿「面白い質問するね。」
仏壇の火のついたろうそくがふわりと揺れた。どこも、窓なんて開けていないのに。
炎の揺らぎを目で追っていた。
そこに彼がいるような気がして。
面白そうな話してんなと混じりたくなったか？ふっか。
お前がいなくなってからいろんな話を聞くし、会いたいと願ってくれてる人もいる。
そっちに行くには、早すぎたんじゃないの。
ちゃんと言葉にすると困らせると思うから、心の中だけでもそう言わせて。
照「またおいで、ふっかの話をしてあげる。」
ラウ「ぜひ、」
目「皆さんのことも、教えてください。」
玄関先で見送った俺らも、見送られた彼らも
みんな晴れた顔をしていた。
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ハルタ(プロフ) - そらさん» そら様、初めまして。嬉しいお言葉ありがとうございます！まだ書きたいお話は沢山あるので、読んでください:） (2021年6月30日 15時) (
レス) id: 5299c27499 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - こんにちわ、はじめまして。ハルタさんの作品一気に読んでしまうくらいハマりました。どの作品も好きです！これからも頑張ってください！ (2021年6月30日 11時) (レス) id: c707cc39d0 (このIDを非表示/違反報告)
ハルタ(プロフ) - あおさん» 良かったです:）ありがとうございます。これからも頑張ります (2021年6月19日 7時) (レス) id: 5299c27499 (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - ありがとうございました!凄く好きです!これからも頑張ってください! (2021年6月19日 7時) (レス) id: 216acc3f78 (このIDを非表示/違反報告)
ハルタ(プロフ) - あおさん» あお様、頂いたリクエスト作品完成しました。楽しく書かせていただきましたので、ぜひ読んでください。これからもどうぞ御贔屓に。 (2021年6月19日 3時) (レス) id: 5299c27499 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハルタ | 作成日時：2021年6月8日 0時
