01出逢い ページ1
「クソックソッ!!!ったく、なんで俺がアイツの尻拭いをしねェといけねェンだよ!!」
力任せに相棒が使っていた執務室の扉を開く。
いや、元相棒だ。
あんな奴のツラを見なくて済むと思うと清々したが、最後の最後まで嫌がらせを複数仕込んであった。
その嫌がらせの一つである、書類の整理をしに来た。
因みに、一番酷い嫌がらせは愛車の爆破だ。
「俺との任務報告書だけ纏めてねぇってどう言うことだ!!!見つけたら死なす!」
イライラしながらも仕事はこなす。
共に行動した任務のため、どれが該当する書類かはすぐ判る。
だが、一つだけ書類が見当たらない。地味だが確実に苛つく。
「あ"あ"あ"あ"ん"の、野郎っ!!」
そう叫んだ瞬間、扉が開いた。
この間合いが絶妙に奴と似ていて。
もう居ないアイツの名前を、開けた人に条件反射で振り向き様、叫んだ。
「おい太宰テメェ!!!!いい加減…に…」
はっとして、言葉を止める。
「わたしはダザイという名前では無いけれど、ノックも無しにドアを開けてしまってごめんなさい。」
其処には、見たことない女が立っていた。
「誰だ手前ェ。」
「名前を聞く前に名乗るべきではなくて?」
「名を訊かずとも、知らねぇ人間は殺っちまっても別に問題無いんだか?」
「別にワタシを殺した所で、貴方にもこの組織にも利益には成らないけれど、したいならどうそ。」
この手のやり取りをついこの間までしてた。
そして、コイツの瞳に映す色は奴と酷似していた。
忌々しい元相棒、太宰に。
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作者名:雪渓 | 作成日時:2018年9月16日 19時