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- your side -



…雪が懐かしく思えるのは


ここのところ毎日だった。





故郷では見慣れた風景だったものの、


グランドラインを出たり、

秋島へ行ったり、夏島へ行ったりと


それなりに忙しく移動していたせいだ。





この島にどこか懐かしさを覚えるのは

降りしきる雪のおかげだ。





急な人の足音に、

私は胸元に入れていたスカーフを

頭に巻いて顔を隠した。





先ほどの店主の話が頭をよぎる。




…もうこの島にまで私の噂が回ってるのだろうか。




だとすれば私はまた、

この島を離れなければならない。





……まだ魔術師を見つけられていないのに…。



この島に、実在するかもしれないのに…。





私は人の足跡を出来るだけ避けて、

家路へと急いだ。





……なぜいつも私ばっかり…。



……なぜいつも私だけ…。






『人と違うってのは、特別だって証拠だ。

…特別はどんな形であれ、お前の強みになんだよ。

覚えとけ』







ついつい頭の中で弱音を吐いてしまうと、


いつの日かの最愛の人の声がした。






…わかってる。



その声に、そう返事して

私はまた早く歩き出すのだった。




わかってるんだ。





もう少しこの島に残って、

探索を続けよう。




いずれにせよ、私の本性がバレるのは

時間の問題。




島を出なければならなくなることは

確かなのだ。




タイムリミットは迫っている。






人通りの少ない路地に入り、


私は自身の熱気で暑く感じたスカーフを

右手で取った。





視界がひらけて、

妙に雪が白く見える。





…今夜は悪夢を見なければいい。




そう思い一人、また歩き出すのだった。




吹雪に揺れる私の髪は

いつも以上に青白く月明かりに光るのだった。

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明煌羅(プロフ) - 絹さん» こちらこそです!ここに来てまだ間もないので返信の仕方が分かんなくて・・・。レスが遅くなってごめんなさい!読んでいただけるの嬉しいです(*´▽`*)初心者なので拙い小説ですが・・・。 (2019年8月27日 6時) (レス) id: e8cddd2bcf (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 明煌羅さん» 明煌羅さんも書かれてらっしゃるんですね!!勿論です!!お伺いにあがります( ̄^ ̄)ゞレスありがとうございます^^ (2019年8月26日 21時) (レス) id: 06b618a65c (このIDを非表示/違反報告)
明煌羅(プロフ) - 絹さん» はい(*´▽`*) わたしも小説出してるので、気が向いたら見てみてくださいm(_ _)m 絹さんのこの小説、独りの心をすごく癒してくれます! (2019年8月26日 18時) (レス) id: e8cddd2bcf (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 明煌羅さん» 明煌羅さん!!とっても嬉しいコメントありがとうございます。゚(゚´Д`゚)゚。もっともっとキュンキュンしていただけるように頑張りますね!! (2019年8月26日 18時) (レス) id: 06b618a65c (このIDを非表示/違反報告)
明煌羅(プロフ) - 続きも楽しみにしてます!すごく面白いです! (2019年8月26日 17時) (レス) id: e8cddd2bcf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年8月24日 0時

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