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- zoro side -


サンジが基本的に優しいことは知っている。




お互いに皮肉を言い合ったりするが、


彼は、本当は誰にでも平等であるし、

照れながらも俺を気遣ってくれていることも

良く知っている。





…それでも、俺の刀を褒めることは

完全にイレギュラーだった。




ルフィ「サンジー、早くこの肉食わせろよおお」



サンジ「ばーか、
朝ごはんはとっくに出来てんだ。

肉はまた今度出してやる。

ラウンジに行け。

テーブルの上に、朝ごはんがあるからよ」





ドタドタと砂埃が舞いそうな勢いで、

うるさかった奴らがラウンジに駆け込んだので


急な静けさを覚える。





彼はまた、
ふーっと煙りを吐き出した。






ゾロ「……覚えてんのか」




確信犯だ。


俺にこの質問をさせようとしていたのではないか。




……違うか。


考えすぎか。




そんな回りくどいやり方を、

彼が好むとは考え難い。






すると彼はまた

へへっと笑って今度はこう言うのだった。





サンジ「だからてめぇは何の話をしてんだよ」



煙草を吸い終えた彼は、

ポケットからレザーの灰皿を取り出して
フタを開ける。




サンジ「………朝飯、
それだけじゃ足りねぇだろ?」



はやく食いに来いよ。




そう言って煙草の処理を終えた彼は


俺の肩を優しく2度ほど叩いて

ラウンジの方へ消えていった。





……覚えてないのか……?



どっちつかずな対応に

腹の虫がおさまらなかった。




…ふと思う。



俺が見たあの絶世の美女は

もしかすると幻だったのかもしれない。




じゃあこの刀は一体なんだっていうんだ。


どこからが俺の都合の良い幻想で

どこからが現実だったんだ?





考えるのを止めようと何度決意したところで、

それらは全て無駄に終わる。





昨夜、少女の夢を見て

何もかもを鮮明に思い出してしまったことが


どうやら引き金になったようだ。






……あの少女が苦手だ。




何もかもスカした返答で、

それでもって澄ました顔をして。





人に疑問ばかりを抱かせて、

自分だけ楽しんでいるようだ。





あの蒼白の瞳に、

全て見透かされているように感じて

胸騒ぎがした。




…落ち着けない。









ナミ「何1人で怖い顔してんのよー、ゾロ」




二階のミカン畑からの声に、

俺は振り返る。





ゾロ「…覗き見たぁ、良い趣味だな」








どうやら俺は厄介な程、

少女の記憶に囚われているようだ。

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明煌羅(プロフ) - 絹さん» こちらこそです!ここに来てまだ間もないので返信の仕方が分かんなくて・・・。レスが遅くなってごめんなさい!読んでいただけるの嬉しいです(*´▽`*)初心者なので拙い小説ですが・・・。 (2019年8月27日 6時) (レス) id: e8cddd2bcf (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 明煌羅さん» 明煌羅さんも書かれてらっしゃるんですね!!勿論です!!お伺いにあがります( ̄^ ̄)ゞレスありがとうございます^^ (2019年8月26日 21時) (レス) id: 06b618a65c (このIDを非表示/違反報告)
明煌羅(プロフ) - 絹さん» はい(*´▽`*) わたしも小説出してるので、気が向いたら見てみてくださいm(_ _)m 絹さんのこの小説、独りの心をすごく癒してくれます! (2019年8月26日 18時) (レス) id: e8cddd2bcf (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 明煌羅さん» 明煌羅さん!!とっても嬉しいコメントありがとうございます。゚(゚´Д`゚)゚。もっともっとキュンキュンしていただけるように頑張りますね!! (2019年8月26日 18時) (レス) id: 06b618a65c (このIDを非表示/違反報告)
明煌羅(プロフ) - 続きも楽しみにしてます!すごく面白いです! (2019年8月26日 17時) (レス) id: e8cddd2bcf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年8月24日 0時

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