【キメツ学園】夜は短し、恋せよ鬼狩り【暗殺教室】

10 ページ11

.



『有栖川より本部に連絡、討伐完了しました』


ｻﾞｻﾞｯ…


《お疲れ様でした。引き続き巡回よろしくお願いします》







「ええと……あの鬼みたいなのは何だったんですか…？」




『うーん…』






基本的に、鬼を目撃した人達には前後1時間くらいのことを忘れるように薬を打ってるんだけど…





「は、話せないようなものなんですか、やっぱり」





なんか…
そんな目で見つめられる(？)と打ちずらいっていうか……





『うーーーーーん……』






「話せないんだったら大丈夫です！！！！」






『わかった！教えるよ！！！』






教えてから記憶無くせば大丈夫でしょ。
この薬はしのぶちゃんが調合した超強力剤なんだからね。






『君が襲われかけたのは人喰い鬼。名前の通り人を喰って生きている鬼だよ。……でも、鬼も元々は人間だった。鬼は夜にしか出ないから、日が暮れたら早く帰りなよ。』






「ひ、人喰い鬼……あなたはそれを退治するんですか…？」






『ごめんね、流石にベラベラ喋ることは出来ないんだ。




……君にはこの事、全部忘れてもらうね。』






「え？」






戸惑っているうちに腕に注射を打った。







「えっ！？！？な、に…するんで…す…」







目を閉じ、倒れるように眠りについた。






こんな優しい子に注射を打つのはちょっと抵抗があったけど、でも…


『……ごめんね。でもこれが皆の為なんだ』


鬼の存在を知って日々怯えながら生きていくより、あったこと綺麗さっぱり忘れてしまった方がいいに決まってる。



…で、ここからが面倒臭い。

道に放っておくわけにはいかないから、目が覚めるまで20分以上待たなきゃいけない。

そして目が覚めたら
倒れてたけど、大丈夫ですか？
とか、適当な言葉をかけて家に帰す。


その後はまた巡回に戻る。



ちなみに巡回がある日はほぼ寝れません。

辛い。

11→←9

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す