赤髪くんと彼女は。 (ページ19)

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17時間目ページ19

目が覚めると走行中の車の中。

ふと横を見れば、驚いた顔の神崎さん。

不良｢さらおうと計画してたら逃がしちまった。ずいぶん入り浸ってたんだなぁ
まさかあの椚ヶ丘の生徒とはね～」

……何なのこの不良。

不良｢でも俺には分かるぜ。毛並みの良い奴等ほどよ、どこかで台無しになりたがってんだ」

不良｢恥ずかしがる事ァねーよ。楽しいぜ台無しは。堕ち方なら俺等全部知ってる
これから夜まで台無しの先生が何から何まで教えてやるよ」

……はぁ？何こいつら。

私たちの何を知ってるっつーの。

うっざ。

不良｢ここなら騒いでも誰も来ねぇな

楽しもうぜ、台無しをよ」

茅｢……神崎さん、そういえばちょっと意外。

さっきの写真、真面目な神崎さんもああいう時期あったんだね」

神｢…………うん。うちは父親が厳しくてね。
良い学歴、良い職業、良い肩書きばかり求めてくるの。
そんな肩書き生活から離れたくて、
名門の制服も脱ぎたくて、
知ってる人がいない場所で格好も変えて遊んでたの。……馬鹿だよね、遊んだ結果得た肩書きは "エンドのＥ組" 。もう自分の居場所がわからないよ」

そんなことないよ、神崎さん

不良｢俺等と同類になりゃいーんだよ。
俺等もよ、肩書きとか死ね！って主義でさ、
エリートぶってる奴等を台無しにしてよ
…なんてーか、自然体に戻してやる？みたいな
良いスーツ着てるサラリーマンには女使って痴漢の罪を着せてやったし、勝ち組みてーな強そうな女には、こんなふうにさらってよ、心と体に2度と消えない傷を刻んだり
俺等、そういう教育(あそび)沢山してきたからよ、台無しの伝道師って呼んでくれよ｣

は？こいつら何言っちゃってんの？

そう思っていた時、

茅｢さいってー」

『カエデ危ない!!』

不良が殴ってきそうになったので、
私はカエデを突き飛ばした。

『わーあ、暴力変態～。
てかさ、何カッコつけて熱弁しちゃってんのさ、台無し男？
ハッキリ言って、気持ち悪いよwww』

不良｢うるせぇ！とにかく宿舎に戻ったら涼しい顔でこう言え
"楽しくカラオケしてただけです"
ってな。そうすりゃだ～れも傷つかねえ。
東京に戻ったらまた皆で遊ぼうぜ
楽しい旅行の記念写真でも見ながらなァ｣

不良がそう言い終わった時、私は不良の横腹を思いっきり蹴った。

不良｢オイ!!何すんだてめぇ!!
よし決めた。最初はお前からだ」

『2人を守るためなら…いいよ』