45.[同情] ページ46
桐「…?え?バ、バラ…?どうしてこんなものが…?」
高「これで約束は果たしましたよ…Aさん!」
『…高遠さん!』
高「どちらが先に真相を解き明かすか、その勝負は君の勝ち。たしか君が勝ったら「犯人の命は助ける」という約束だったはずです。」
『……ええ』
金「ま、まさか…今のはあんたが仕組んだマジックなのか…?」
高「私、約束は守る主義でね。殺すと言った獲物はたとえどんな障害があっても必ず仕留める。その逆も、また同様です。少々、不本意ですがね…桐江さん。探偵にちょっと追い詰められたくらいで簡単に自分から死を選ぶような あなたでは冷徹な犯罪者にはなりえません。あなたはたった今、一度死んだ。生まれ変わる気があるなら次はもう少し、自分のあるべき姿を見つめ直してみることですね…」
『高遠さん…』
高「おや…?どうやら霧が晴れたようですね。美しい湖に浮かぶ壮麗なロシア建築でも眺めながら空の旅と洒落こみますか…」
「!!」
高「それでは、みなさん。また会う日まで」
高遠さんは窓から飛び降り、空へと消えた。
金「くそっ!高遠!!」
『はじめ、もういいよ…それより…』
桐江さんは身を縮こませ、大声で泣いている。
■
佐「で、でも、どうしてだろう?あの恐ろしい「地獄の傀儡師」がいくら約束だからって…」
『自分と、重なったんじゃない…?あの高遠さんが「地獄の傀儡師」として生きていくきっかけとなったあの事件で、連続殺人に走らせたその動機はまさしく同じ奇術師だった母親の残した「魔術のトリックノート」だった。父親のトリックノートを元にして産み出された莫大な遺産を手に入れるため殺人に手を染めた桐江さん…偶然とはいえ、よく似た理由で犯罪を犯した彼女に、ちょっとばかり同情したんじゃないかな…』
七「……そっか…あの人は桐江さんに昔の自分を見たのね」
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慧jump(プロフ) - この物語好きです。ローゼスそんとなっている場所がありました。19話です。 これからも更新頑張って下さい。 (2018年6月11日 23時) (レス) id: 77b2c6db08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おばあちゃん | 作成日時:2018年1月21日 22時