【青葉城西】この後輩悪女、私のセコムでした。

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全体練習が終わり、自主練に入った。
帰る人もいれば、残って練習している人もいる。



…鈴屋はというと、マネ業が一通り終わったので帰ってった。
及川は残っているのに。




鈴屋もいないし、誰からも睨まれることはないだろうと及川に声をかけた。


「及川」

「ん？なぁに、香澄ちゃん。」

「右肩、痛いんじゃないの。」



すると及川は目を見開いた。
つまりビンゴ。3年目のマネージャーを舐めるなよ。


「なんで気付いたの？」

「今日のトスだよ。レフトは近いしライトは離れてる、左肩に力が入ってるか右肩が入ってないかじゃん。で及川の場合今更力むこともないでしょ。」

「流石、叶わないなあ香澄ちゃんには。」


なんて笑う及川。こいつ、バレなかったら絶対自主練する気だったな。


「だから今日はもうやめときな、湿布いる？…あ、アイシング用意してくる」


及川と岩泉は帰り歩きだし氷嚢(ひょうのう)が肩に乗っていっても問題ないでしょ。


製氷機のところに行ってさっと氷嚢に氷を詰める。

「こんなもんでしょ」


肩に乗るくらいの量を詰めて及川のところに持っていけば及川は「ありがとう」といってそれを受け取った。



「今日は安静にしてな」

「うん、けどまだ体育館にいてもいい？」

「…え、それは全然いいけど。」




「岩ちゃんがまだ練習中だからね〜」とニコニコしながら岩泉を見る及川。もちろん岩泉からの怒号が飛んできた。



なんか、不覚にもドキッとしたのはなんでだろう。

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