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夜24時。ベッドに横になってそろそろ寝ようかと思っていたら枕横に置いていたスマホが鳴る。画面を見ると日本で暮らす姉からだった。なんだってこんな夜中に‥‥一瞬そのまま無視しようかとも思ったが渋々通話ボタンを押す。
そして急に電話をかけてきた姉は開口1番こう言った

《ねえ、なんか世良さ、最近明るなったよね〜》

『は?なに急に‥‥元から明るいけど』

《何言ってんの。あんたが言ってるやつって上部の明るさでしょ》

『なんやそれ‥‥ラジオちゃんと聴いてる?俺はめっちゃ明るいです〜』

《ラジオなんて聴いてないわ。韓国語分からんし》

電話口の姉はため息を吐きながらそう言った

《てか聴かなくても想像つくわ。
どうせまた空気読みまくってるんやろ。私は痛々しくて聴いてらんないわ〜。あ、でも人って嫌われるの嫌やけどそういうの恐れないタイプやったね、昔は。そこが謎なんよね〜。今もそうなん?》

『なんそれ‥‥‥‥違うけど‥‥』

《あんたの事なんか側に居なくても分かんの!何年、セラの姉やってる思ってんねん》

あー。嫌な事思い出す。
姉はいつもこうだった。
何でも分かってるみたいに、僕の全部を見透かしてるみたいだ。昔から、やましい事なんて無いのに姉と話す時はいつも本当の自分を、本音を出さなきゃいけないみたいで気が引けた。「本当は知ってるぞ」って目で訴え続けられてる様だったから。

昔。思い出すのはやっぱり中学時代。
確かにそうだったかもしれない。どうせ周りからは嫌われてるし何を言っても“嫌悪”という壁を乗り越えることが難しかった。そういうのを打破する方法を考える気は毛頭無かったし。そもそも誰かに好かれる為に何かをしなきゃいけないみたいなのは嫌なのだ。
だったら自分なんてその場に居ないって事にしてくれた方が楽だった。あれは空気を読んでいたんじゃ無い。空気になってた。そうやって周りに自分を気づかれないようにするのが得意だった。そうした方があの時は生きやすかったから。
そしていつしか家族の前でもそうするようになった。

でも姉だけが気づいてた。僕は、そこにいる(・・・・・)って。






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- 更新楽しみにしてます! (2022年10月11日 19時) (レス) id: 03ecf28755 (このIDを非表示/違反報告)
琉海 - めっちゃ面白いですね (2022年10月10日 15時) (レス) id: 553743e1a2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年10月5日 19時

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