3 JN ページ4
jin side
もう自分が、いや、“アイドル、防弾少年団JIN“という存在。
顔や体のあらゆる角度。楽しい時や悲しい時に発する声。調子の良い、時に調子の悪い歌声。メイクをしている顔していない顔。メンバーの前でしか見せない表情や諸々の自分の感情全てが世の中に溢れかえっている様な感覚がある。いや、これは自分の想像上のことなんかでは無くて事実なのかもしれない。
舞台上やそれ以外でもほぼ全ての活動にカメラが回っている中で生活している僕等は何故か世の中に全て知られてしまっている様な気がする。
唯一心の底から落ち着けるのはもう宿舎の中だけしかないのかもしれない。
トップアイドルJINではなくて、ただの26歳韓国人男性キムソクジンになれる唯一の、場所。
そんな、ただのキムソクジンになれる宿舎での1番の楽しみは好んでやる料理でも外でやる魚釣りでもなくオンラインゲームだった。
料理も釣りももちろん好きだけど根っからのインドアを極める僕からすると1人でできる1番省エネかつ1番気持ちが上がるのはレアアイテムを当てた時、なんて言ったらarmyはキモいって思うかな?
armyはそんな事思わないよ、むしろ「ソクジナそんなとこも愛してる」って優しく包み込んでくれるさ、なんて脳内のJINが僕に囁く。
特徴ある音を出しながら歩くスマホの中の可愛いキャラクターを眺め、それからハンガーラックに掛けてあるバッグに目を移す。バッグにはあの日、セラさんがくれたキーホルダーがぶら下がっている。
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み - 更新楽しみにしてます! (2022年10月11日 19時) (レス) id: 03ecf28755 (このIDを非表示/違反報告)
琉海 - めっちゃ面白いですね (2022年10月10日 15時) (レス) id: 553743e1a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:遊 | 作成日時:2022年10月5日 19時