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あれ、そのキーホルダー。
慣れない雑誌の取材終わり。なかなかくることのない大きな施設での取材に緊張して、終わった途端喉が渇いた。マネヌナに了解を得て寄ったロビー横の自販機前で聞こえた控えめな声。
いつのまにか自分の横に高身長のマスクをした青年が立っていて焦って半歩横にずれる。
『あっ、すみません。自販機、どうぞ』
たくさん喋り喉が渇いたと先ほどの取材の濃密さに浸りながらのんびりと水を買っていた横に待ち人がいるとは気付かなかった。
「いや違くて、アニ、、違くはないんですけど」
なぜかモゴモゴ呟く彼に、はてなマークを浮かべていると
僕の背負っているショルダーバッグを指差してこちらを見て少し興奮した様に言葉を発した。
「ッその!そのキーホルダーって限定のやつですか、?」
彼の指差した先を目で追いモノを確かめる。
、、あ、これ。これは。
『‥‥あー、これは、以前制作に関わった関係で頂いた、、確か非売品です、、』
2年半程前に頂いた依頼で某人気ソーシャルゲームのBGM制作を担当したことを頭で思い返す。
あの時はまだ実績も数少なかった僕に舞い降りた大きめの仕事。だからよく覚えてる。
確かにこのアクリルキーホルダーにはそのゲームのイメージキャラクターが描かれている。
目の前の彼は大きな目をまたさらに大きくしキラキラした視線をこちらに向けた。
「えっ、あっ、制作、、関わった、、んですか。チンチャ?凄い、!僕このゲームの大ファンなんです!幼い頃からよくやってて!ヤー凄い、凄いな、凄いです」
『わー、そうなんですね、あはは、ありがとうございます?、、』
特徴ある早口で話し出した彼に少し驚いたがシンプルな賞賛が嬉しくて笑ってしまった。
「ヤー、ほんとに、すごく大好きなゲームで死ぬ程重課金したので、、こんな所で製作者ニムにお会いできるなんて思ってませんでした。とても嬉しいです!」
『ニムなんて、そんな、僕は曲を提供しただけなので‥‥それにしてもそんなに好きなんですね。ゲームに課金はかなり好きじゃないとできないですもんね。』
「ッッ‥‥曲を、、!おわーっ、、
僕、曲とキャラクターとの世界観のマッチが特に好きなので、わー、やば、、
課金、は、恥ずかしい話なんですけどやっぱり課金しないといいアイテムが手に入らないので、、」
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み - 更新楽しみにしてます! (2022年10月11日 19時) (レス) id: 03ecf28755 (このIDを非表示/違反報告)
琉海 - めっちゃ面白いですね (2022年10月10日 15時) (レス) id: 553743e1a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:遊 | 作成日時:2022年10月5日 19時