迷い犬の百鬼夜行3 【文豪ストレイドッグス】【文スト】 (ページ12)

今日:5 hit、昨日:1 hit、合計:18,947 hit

111 敦side ページ12

・

「敦君。」

「何ですか？」

僕達が笑い終わった後、ふと石燕さんが僕の名前を呼ぶ。
なんだろう…。

「敦君が良ければですが…
_____私に貴方の過去を話してみませんか？

勿論、話してもらう代わりに＂私の過去＂も話します。」

…え……？

「…石燕さんの…過去を…？」

空耳でない事を確認する為に聞いてみれば、そうだと言われる。

で、でも、石燕さんは僕と同じで昔話が嫌いなんじゃ…？

「いつかは話す事なんです。今、話したって変わりありませんよ。」

僕の考えている事が判ったのか、そう言われる。

太宰さんも、石燕さんも、未来を知っているのかって聞きたいぐらいに頭がキレる。

そんな彼等が本当に凄いと尊敬出来る。

石燕さんの過去…。

組合の長がその話に触れた時、探偵社内が凍ったかと錯覚するぐらいだった。

でも、僕は彼女の事を知りたいし、自分の事も知って貰いたい。

そう、この僕の穢れた過去を知って、院長先生の想いを知って欲しい。

もしかしたら、罵倒されるかもしれない。

そう思いながら、僕は口を開いた。