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走っても、走っても、森、森、森。
Qへの揺れが最小限になるよう石燕は走っていた。
「ぅ…ん、…ヒッ、お、お姉さん誰ぇ?!」
「あらあら、起きてしまいましたか。」
目を覚ましたQは、自分を抱えている石燕を見て驚いているようにも見えるし、怯えているようにも見える。
その事に気づいた石燕は一度立ち止まり、Qを降ろし、同じ目線の高さになるようQの前でしゃがむ。
「はじめまして、私は武装探偵社調査員の鳥山石燕です。君は、夢野久作君ですね?」
「た、探偵社…?」
Qが不思議そうに問うので、そうですよ。と言えば途端に震え出す。
「あら、如何したんですか?どこか痛みますか?」
震え出したQが心配になりオロオロし始める石燕。
「…僕を懲らしめに来たんじゃないの…?」
「え?」
「だっ、だって…僕、探偵社の人達をいっぱい傷つけたんだよ?」
「あら、そんな事で懲らしめに来ませんよ〜。」
「ホント…?」
「ホント、ホント。」
だから、泣き止んでください。そう言い、石燕はQの涙を拭き取る。
「ほんと…?」
「本当です。あ、お腹減っているでしょう?飴ちゃん要ります?」
「…要る…。」
Qの返事を聞いて嬉しそうに飴を差し出す石燕。Qは石燕からもらった飴を大事そうに食べ始める。
「…お姉さん…神様って本当に居るの?」
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楓(プロフ) - あ、本当ですね!ご指摘ありがとうございます! (2021年5月23日 13時) (レス) id: 8b752a0121 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 41ページ 探偵社)に電話して! の ) は不要ではないでしょうか? (2021年5月23日 13時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:楓 | 作成日時:2021年3月17日 18時