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「その娘……此処の関係者か?」


石燕が更衣室から出て来て聞こえた会話だった。
鋭い言葉と眼差しの箕浦警部に、敦が慌てて弁解する。しかし、言っている事があまりにも変である。




「あら、箕浦さん。この子は私の姪っ子ですよ。」


「む。鳥山の小娘か…。久しいな。」



可愛いでしょう?と、鏡花の頭を撫でながら、敦に助け舟を出す石燕。




「…お姉さん」

「ふふふ、どうかしましたか?鏡花ちゃん。」



石燕の言葉に嬉しそうに言う鏡花。
しかし…




「(うぅん。似てなくは無いな…)」



じぃー、っと石燕達を交互に見る箕浦警部。




そんな時だった。




「私の娘と孫娘だ。」

「娘さんとお孫さん?」

「娘と孫だ」




見かねた福沢が石燕達の横に並び言う。福沢の発言にぽかん。となる箕浦警部と探偵社員。




「…苗字が違うが…」

「此処では、お父様の娘と贔屓されたくありませんのでお母様の旧姓を名乗っています。」

「なるほど…。」




不思議に思ったことを聞く箕浦警部だったが石燕にさらりと返される。

その後横に並んでいる石燕、鏡花、福沢を見る。その姿はとても似ていた。






「(そっくりだ……!)これは失礼。」






箕浦警部の発言にホッとする敦。


その後、箕浦警部達は書類を石燕に渡すと帰って行った。




「…石燕さん…」

「はい?なんでしょうか敦君。」

「…社長の娘さんって本当ですか?」






おずおずと聞いてくる敦。そんな敦の周りには、同じように気になっているのか国木田などもいた。




「ふふふ。そんな訳ないじゃ無いですか。」


全部嘘ですよ。と言う石燕。





「ええ!あの感じは本当なのかと…」


先程の石燕の演技が上手すぎたせいだった。探偵社の大半が騙されていた。

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作者名: | 作成日時:2021年2月28日 20時

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