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「また殺人事件の解決依頼だよ!
この街の市警は、全く無能だねぇ。

僕なしじゃ犯人ひとり捕まえられない。


でもまあ、僕の『超推理』は探偵社…いや、この国でも最高の異能力だ!」





皆が頼っちゃうのも仕方ないよねえ!と、高笑いをする乱歩。

乱歩の態度に誰も何も言わない事を敦は不思議に思っていた。






「乱歩さん。その足元の本、横の棚に戻さないと。」




片付けようとしていた本を踏んだ乱歩に言う敦。だが、乱歩は悪怯れる事なく、どうぞと、足を退かし敦を片付ける様促す。





「頼りにしています。乱歩さん。」




と、言う国木田に乱歩を注意すると思っていた敦は、驚いた。





「そうだよ国木田‼

きみらは探偵社を名乗っておいてその実、猿ほどの推理力もありゃしない。


皆、僕の能力『超推理』のお零れに与っている様なものだよ?

ねぇ、石燕‼」



「うふふ、そうですねぇ。乱歩さん。」






自信満々に言う乱歩。大分周りを馬鹿にしているが、石燕は兎も角、誰も怒らない。寧ろ、褒めちぎっている。





「敦君。ここはいいので、乱歩さんのお供をして下さい。現場は鉄道列車で直ぐの筈です。」



「ぼ、僕が探偵助手ですか?そんな責任重大な_______」



「真逆。二流探偵じゃあるまいし、助手なんて要らないよ。」




「え?じゃあ何故…?」







助けが要らないなら何故自分が必要なのか。素直に聞く敦。









「僕、列車の乗り方判んないから」




頭が痛くなりそうな敦だった。




「ふふ。敦君。乱歩さんの実力は凄い勉強になるものですよ。」


「よく判ってんじゃん!石燕!」




感心したのか、バンバンと石燕の背中を叩く乱歩。






「いってらっしゃい。敦君、乱歩さん。」




笑顔で言ってくれる石燕が、敦にとっては悪魔にしか見えなかった。






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作者名: | 作成日時:2021年2月28日 20時

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