37 ページ37
・
「(【超推理】____!)」
写真を見て情報を整理する乱歩。
「(すごいですね…。これで異能力ではないと
は…)」
乱歩に感心する石燕。そんな石燕は、いつも乱歩に驚かされてばかりだった。
_____『君、その仕事嫌なんだろう?』
_____『…嫌と言っても行く宛がありませんから。それにこれ以上師匠に迷惑をかけれません。』
_____『…感情消してた方がおじさん嫌がるよ。変な笑みも浮かべてさぁー…』
_____『⁉』
_____『君はまだ子どもなんだしさー、
わがまま言いなよ。』
初めて会った時に言われた言葉だった。
初対面でこう言ってきたのは彼だけだった。堂々とした態度、ハッキリと言う口全てに驚いた自分がいた。
「…敦君が今いる場所は____
此処だ」
そう言い、地図の海を指差す乱歩。その事実に驚く調査員。
「速度は東南東に20節。公海へ向け進んで居る。
死んではいない。…今はね。」
「「!船か!/ですか!」」
「輸送先は、外国か。」
「拙い。国外に運ばれたら手の出しようがない…。」
絶望しきった顔をしながら言う国木田。
「港に社の小型高速艇が有る。
_____今出せば間に合う。」
そう言い、袖から鍵を取り出し、石燕に投げて渡す福沢。
鍵を受け取れば、国木田と共に走り出した。
「石燕!」
「判っています!」
_______異能力【百鬼夜行 異獣】
【異獣】それは、猿の様な容姿で、力持ちで足が速いとされている妖怪。
手脚を獣化させ、国木田を背負って走る石燕。人目につかない様に人通りの少ない道を進んでいく。そうすれば、見えて来る港。
「あれだ!石燕!」
「はいっ!着地します!」
捕まってくださいね。と言い近くの建物から飛び降りる石燕。
「国木田さん。驚いている場合じゃないですよ。」
「誰の所為だと思っているんだ貴様…!」
結構な高さがあった建物から降りたのがどうやら駄目だった様で、顔を白くさせている国木田。そんな国木田に容赦ない石燕。
「行くぞ!石燕!」
「はい!」
小型高速艇の煙塵音が港に響いた。
75人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:楓 | 作成日時:2021年2月28日 20時