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敦達が依頼をこなしている時、石燕・国木田・太宰は探偵社に残っていた。


太宰がソファでヘッドホンを使用しながらだらけている事が気に入らない国木田。ガミガミと、文句を言ってみたが、ひらりとかわされる。




「石燕!あの包帯無駄遣い装置をどうにかしろ!」



「うふふ。国木田さん。何事も良いように考えた方がいいですよ。

(日に日にあだ名がひどくなっている気がしますが…。)」



「良いようにだと?」






何を言っているんだと言わんばかりの表情の国木田。






「えぇ。
治君が、だらけているおかげで、国木田さんは邪魔される事無く仕事が出来る、

そう考えてみてはいかがでしょう。」





太宰は、依頼人もとい樋口一葉に仕掛けた盗聴器で様子を伺っているのだ。
石燕は、それを理解していた。


国木田が、先程よりは良い雰囲気で探偵社の掃除をしていた時、太宰が急に立ち上がった。





「石燕ちゃん。」



「はい。畏まりました。」






太宰は名前しか言っていないが、石燕は何が言いたいのか予想がついていた。

これは、5年くらい前から知り合いだったから出来る事だった。




そろっと、2人で探偵社を後にする。




後輩が大変なくせに歩く速度はゆっくりな二人。
しかも、両者ともに容姿が整っていて綺麗な笑みを浮かべているため、第三者からは逢引きにしか見えなかった。









何処かの裏路地に躊躇なく入る太宰。それに続いて行く石燕。

どうやら、此処では戦闘がおきているようだ。






「はぁーい。そこまでー。」




その場には似合わない、緩んだ声が響いた。






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作者名: | 作成日時:2021年2月28日 20時

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