しみじみな彼 ページ6
Aちゃんのメイクって不思議なんだ。
特別、別人に変身するってわけじゃないのに、鏡に映った自分がすごく自信に溢れてるように見えるんだ。
それは好きな人にメイクしてもらったからってあるのかもしれない。
でも1番は、Aちゃんの腕を信じてるからだ。
「ありがとう、Aちゃん」
今日でカムバック最終日。
何人も担当してるのに、やっぱりAちゃんはプロだ。いつも通り、否、いつも以上に自信に溢れた俺がいるんだから。
そう言うと、Aちゃんはキュッと結んでいた口を緩めて、とても小さな声で
「…最後、頑張ってください」
って。
ああ、待って。この顔誰も見てないよね？俺だけのためにしてくれてるんだよね？
少し、泣きそうになっちゃった。
「うん」
って返すだけで精一杯で、その後すぐにステージに呼ばれてリハーサルへと向かわなくちゃいけなかった。
「…気をつけてください」
「ん？何が？」
リハとリハの間に、ジョングクが話しかけてきた。
不服そうな顔で
「自分で気づいてます？ずっと顔緩んでますよ」
驚いて手を口元にやると、うわ、ほんとだ。にやにやしてた
「今はいいですけど、本番ではちゃんと“ファンへの”にやにやにしてくださいね！プロなんだから」
「…ふふ、うん。善処するね」
「黙れ」
「酷くない？」
「…ﾁｯ
Aさんもプロ失格ですよ」
「はぁ！？ちょっといくらジョングクでもそれは…」
「だってあの人の仕事は俺たち皆をかっこよくしなきゃいけないのに…
ヒョンを1番かっこよくしちゃってるじゃないですか。」
んぐぅ！？
ステージに響き渡る俺の情けない声
スタッフさんと95'sがケラケラと笑って、ユンギは虫けらを見るような目で見てきた。
けど俺はそれどころじゃなくて
「えっちょ、まっ…」
いまのどういう、とジョングクに言いかけようとしたら
「嘘ですよ。そんなわけないじゃないですか。」
うそ…？
「やー！！お前それは酷すぎるだろ！！」
「自惚れたヒョンがウザかったんですよ」
「ならもっと自惚れてやるもんねー！あーぁ！今日の俺はいつもより1億倍かっこいい！！Aちゃんのおかげかな！！」
「うざっ」
なにを！？って言いかけて、止めた。
まぁ考えてみればジョングクのおかげでここまで来たわけだし
全く関係ないことなのに、なんだかんだ言って手伝ってくれたんだよなぁ…
「…ありがとね、ジョングク」
「きもっ」
前言撤回！！！！
終わり
ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)
←爆走の彼女
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2671人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あや(プロフ) - 興奮しすぎｔ…(殴 勢い余って間違えてしまいました(笑)更新がんばってください!! (2018年2月25日 1時) (携帯から) (
レス) id: 8790c6a819 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 待ってましたあああああああ!!!!めっちゃうれしいです！更新かんばってください!! (2018年2月25日 1時) (携帯から) (レス) id: 8790c6a819 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：どーん | 作成日時：2018年2月25日 1時
