3話 ページ33
辞めろ…って…、
通学路のど真ん中で私を静かに睨みつけるジョングクと、それに動けない私。
すれ違う人たちが、ただならぬ雰囲気にヒソヒソ言いながら過ぎていく。
辞めろなんて言われたのは初めてだった。
「いきなり、何なの」
「…怒ってる?」
そりゃ怒るよ!!せめて理由を言ってくれないと納得出来ない。
「ごめん。だけどAのためを思って言ってるから」
「…」
「逆に知らないの?丘の上の城、キム家。その息子、キム テヒョン。」
「…?そりゃ知ってるし…職場なんだし。
ってかなんでジョングクが知ってるの?」
「俺らの先輩だから」
「…は?」
センパイ…?
俺らの…?
俺らの先輩=同じ高校!?!?
「はぁ!?え、何年生!?」
「3年生。2歳上だけど…」
知らない!!そんなの知らないよ!!
てっきり大学生かなんかだと思ってたよ!!
「全然、知らなかった…」
私、ほんとに何も知らないだ…。
テヒョンさんもなんで教えてくれなかったんだろ。バイト中は、制服の上にエプロンつけてるのに…
ずきんってまた苦しくなる。
「なんで…それが、バイトを辞めることに繋がるの…?」
「……」
「ほんとは、ジョングクに聞きたくないけど…」
人のことを他人に聞くのは若干の抵抗がある。昨日のこともあるのに、反省してない自分を引き止めたい。
だけど、知りたかった。
テヒョンさんのこと、どうしても知りたかった。
「……テヒョン先輩さ、」
「昔、心中しようとしたらしいよ」
その瞬間、街の呼吸が止まった。通行人の気配も一瞬にして消えて、夢の中のように、頭が重くなり、後ろに倒れそうになった。
「…しかも、相手に無理やり。
どっちも助かったらしいけど、それ以来テヒョン先輩は不登校なんだ。」
テヒョンさんが…心中?
ドラマの中でしか聞いたことない、ワードに頭がついていかない。
いや、確かにさっきテヒョンさんのこと何も知らないと知ったばかりだ。だけど、あの人が…
「俺、人間でしょ?」
「よかったらさ、これからも俺と話してくれる…?俺、2人と仲良くなりたいんだ。」
「わがままいって、ごめんね」
「ちがう、よ…
テヒョンさんが、そんなこと…」
テヒョンさんの声が頭から離れない
まるで、言葉のナイフが刺さったままみたい
674人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ティラミス(プロフ) - ジンニムと主人公ちゃんとテテの3人の会話が、というか主人公ちゃんが面白くてめちゃ笑わせてもらいました!笑後半からいろいろと悲しすぎて胸が痛かったです(;_;)これからどういう展開になっていくのかすごく楽しみです!更新頑張ってください!! (2018年4月5日 17時) (レス) id: 8810c09dc0 (このIDを非表示/違反報告)
いくみん(プロフ) - パス解除待ってました~(T_T)また楽しみにしてますね! (2016年8月7日 21時) (レス) id: 970b4833a7 (このIDを非表示/違反報告)
どーん(プロフ) - ミョンファさん» 嬉しいです!!期待に答えられるよう精一杯やらせていただきます! (2016年6月25日 11時) (レス) id: da3ea46b05 (このIDを非表示/違反報告)
ミョンファ(プロフ) - 今一番お気に入りのお話です!更新楽しみにしてますね〜^^ (2016年6月24日 2時) (レス) id: 9c6bf2f88d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:どーん | 作成日時:2016年6月7日 20時