やっぱり ページ36
いつも体調が悪い時、ハクがそうしてくれるように私は一晩書類を見つつ、彼の様子を見ていたのだが。
まあかなり眠気がくる。
だんだん外が明るくなってきて、窓から朝日の日の光が差し込む美しい景色になった。
「…ハク、まだ起きない…」
まあまだ朝の8時くらいなのだが。
普段の彼ならとっくに起きている時間だ。
やっぱり具合が悪かったのかな…
少し心配になって、ベッドに近づき彼の寝顔を覗き込む。
…綺麗。
ハクの熟睡中の様子は久しぶりに見たかも。
「琥珀様…お目覚めですか？」
扉の向こうから遠慮がちな女官の声が聞こえ、かわりに出ると、彼女は私に深くお辞儀をする。
「…まだ起きてないんです。…今日、何か彼に公務は？」
「急用ではないものについてはお断りの連絡を入れましたが、一件だけどうしても…というものが」
「どのような内容ですか？」
「銭婆様と仰る異界の魔女でおられる方から、至急お会いしたいという…」
銭婆様…湯屋の分館の話ではないみたいだし。
多分、私に隠す話でもないだろう。
「…分かりました。私が代わりに伺います。…彼が目覚めましたらそう伝えておいてくださいますか？」
「勿論でございます。」
沼の底なら…多分三時間くらいでいけるだろうか。
残念ながら龍に化す術は最近使わないようにしていたが、そうしないと行けないので仕方なく。
＊＊
馬車で送ってくれるというカイの申し出を丁重に断り、護身について来てくれるというアベルの申し出も大変丁重に断り、やっとの思いで屋敷を抜けることが出来た。
誰にも見られない場所までくると、意識を集中させて、龍に化す。
龍神ではない私にとってはもの凄い負担なのだが、今は別に支障はない。
＊＊
……昨日までの燃えるような身体の熱さも無くなり、怠さも無い。
もう朝なのかと目覚めた私は、日の当たり方の違和感でとっくに昼になってしまっている事に気がつく。
「…一体何時間眠ってしまったのだ私は。」
広い部屋に千尋の姿を探すが、見当たらない。
…多分気を使って起こさなかったのだろう。
机の上に整頓されて積み上げられた書類を見、彼女が一晩中起きていたという事実をも察した。
「……まさか全て…」
ベッドから降り、机の前までくると書類の山をシュッと捲り上げる。
…全てに判子が押され、サインまで記入済みだった。
「…信じられない」
これだけの量を一晩で？
絶対に一睡もしていないと断言出来る。
…今度は彼女が倒れそうで怖い。
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やっさん(プロフ) - なるほど。結婚してから、王位を継ぐの理由のひとつに、一人では、王の仕事が多すぎて、手に負えない事情も、あったのですね。二人で協力して、やっとなんとかなる激務、王様も楽ではない汗汗。 (2020年6月26日 20時) (
レス) id: fd24bdc7a6 (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - ゆきさん» ちょっとし、思いっきりですが、リクエストよいでしょうか？龍神屋敷の、設定で、千尋が、家臣の扱い方が、わからないために起こした、お笑い騒動を書いてみてはどうでしょうか。どんな、騒動が、あったか興味があります。 (2020年6月8日 20時) (レス) id: fd24bdc7a6 (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - 千尋とハク様が、龍神お化け屋敷に、帰るのですね。ルイと沙羅姫様の問題にも決着をつけるべきですし、まだまだ、前途多難の波瀾万丈ですね汗汗。余談、千尋さん、女官の方々をうまくつかえるのか??千尋が、屋敷に珍騒動を巻き起こすか(^^;;。 (2020年6月3日 21時) (レス) id: fd24bdc7a6 (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - 千尋とハクの子供が、危ない汗。確かに、千尋とハクの子供には呪いが... 。呪いをとかないまま子供を作るのは、無謀なのか!?!? (2020年5月23日 22時) (レス) id: fd24bdc7a6 (このIDを非表示/違反報告)
printemps(プランタン)(プロフ) - 早う、暖かくして上げて！！！ (2020年5月22日 17時) (レス) id: a86d5a1323 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Yuki | 作成日時：2020年2月10日 1時
