新しいお友だち ページ16
「おわっ」
「!すみません!」
診察室を出た後、廊下で知らない隊士二人と鉢合わせた。
ぶつかってしまった金髪の男の子に謝る。
「すみません、大丈夫ですか?」
「……だっ、」
「?」
「大丈夫ですか?!大丈夫ですかって言った!?言いましたよね!!俺のこと心配してくれたんですか?!」
「え、まあ…」
「はぁぁああぁ!!結婚しましょう!!」
「へ?」
「これはもう運命的な出会いだ!!急に出てきた人とドン!とぶつかって!!声を!!掛けられて!!」
「善逸うるさい!静かにしないか!」
「あだっ!」
隣の額に傷のある男の子が頭突きをかますと、金髪の子は静かになった。
「すみません、お騒がせしました」
「いえいえ、大丈夫です。あの…頭、」
「あ、俺は石頭なので!大丈夫です!」
あ、そうなんだ…果たして金髪の子は大丈夫なのかな…?
「あ、もしかして…」
さっき、アオイさんが言っていた…
「炎柱…煉獄さんと、最期に一緒に居た方たちですか?」
「!はい、そうです」
「そうなんですね…私、あの任務の直前まで煉獄さんといて…」
「そうなんですか!?」
「偶然会った鬼を討伐して怪我してしまって…もしおふたりが私の代わりに任務に行かれたなら申し訳ないと思ったので」
「あ、違います!俺は個人的に煉獄さんを探してたので…」
巻き込んだ訳ではなさそうでよかった。
「それと、行ったのは三人で…」
「炭五郎!紋逸!飯だぞ!!」
「伊ノ助!病院なんだから静かにしないか!」
「ん?何だお前…!強い気配がぷんぷんしやがる…!おい!俺と勝負しろ!!」
「いきなり何言ってるんだ!迷惑だろ!」
「あはは…」
猪頭の子も頭突きで沈められた。
「本当にすみません…あ、俺は階級癸、竃門炭治郎と言います!こっちは我妻善逸、嘴平伊ノ助です!」
「私は甲の久賀Aです」
「甲!?すごいですね!俺たちとあんまり年齢も変わらないように見えるのに…」
「別にすごいことじゃ…年は十三です」
「十三!?二つも年下だったのか!てっきり年上だと思って…」
二つ年上…十五歳か。
「鬼殺隊って年上しかいなくてなかなかお友だちできないんですよね…」
「じゃあ友だちになろう!」
「え?」
「いいんですか?」
「ああ!それに敬語じゃなくていいぞ!」
「でも私年下ですし…」
「友だちに敬語はいらないだろう?」
「!…ふふ、そうだね!」
煉獄さんを失って、悲しくて、寂しくて仕方なかった。
でも代わりに、新しいお友だちができた。
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作者名:merry | 作成日時:2020年12月13日 23時