序章 ページ1
ある日の朝、恋柱邸にて。
道場には、すさまじい勢いでぶつかる刀の音と、元気な女の子の声が響いていた。
「どうしたの〜!?しばらく稽古しなかったから体がなまっちゃったのかしら!!」
「うぅ〜〜!し、師範速いです!!」
「当たり前よ!!貴女の師範なんだから!ほらもっともっと速く!」
「はいっ…!」
私は久しぶりに師範に稽古をつけてもらっていた。
「A!今の良い感じよ!その調子でがんばって!!」
「っ、はい!」
───キン!
「あら!」
「っ!?」
当たった…!
「当たったわね!やっぱり強くなってるわ!ご苦労さま!」
「あ、ありがとうございました……」
へたり込んだ私と対照的に、まだまだ余裕そうな師範はニヤリと笑う。
「さあ!おやつの時間にしましょう!」
「ん〜!美味し〜!」
縁側に並んで座って、師範が任務先で買ってきたお菓子を食べる。
「これ美味しいですね!えっと…きゃらめる?」
「そうなの、美味しいわよね!一つ食べて気に入っちゃって!高かったけどつい買っちゃったわ〜、あ、そうだ!Aの甲への昇進祝いもしなくちゃね!」
そう言うと、師範は私をぎゅ〜っと抱きしめる。
「Aは頑張り屋さんだものね!偉いわ〜!」
師範は稽古の後、いつもこうやって私の頭を撫でてくれる。
「えへへ」
「照れてるAも可愛いっ!!」
「師範の方が可愛いです!」
「っ〜!!A可愛いわ!!」
見ての通り、私は師範が大好き。
そんな私には、鬼殺の他にもうひとつ、大切な使命があるんだ。
大好きな師範の為の、ある重要任務
それは─────
恋柱且つ私の師範、甘露寺蜜璃
師範の同僚で蛇柱さま、伊黒小芭内
このふたりを、どうにかこうにかしてくっつけること!!
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作者名:merry | 作成日時:2020年12月13日 23時