好きです、我妻先輩。 (ページ21)

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恋バナって楽しいよねページ21

「で、見事その先輩に落ちてたと」
「お、落ちたって言い方…！」
「Aちゃんなんか可愛いよ、恋の力ってすごいね」
「待って面と向かって言われると恥ずかしい…」
翌日、ぽーっとしていて様子がおかしい(らしかった)私。
昼休みに事情聴取という名の尋問をふたり(主に梅から)受ける羽目になった。
「でも決定的に落ちた瞬間は分かんないのね、聞きたかったのに。つまんないのー」
「んぐっ…！だから言い方…！」
最後の玉子焼きを口の中に放り込んだ瞬間、梅の発言に思わずむせる。
「でも落ちたんでしょ？」
「落ちてな…！……くも、ないとは言えないといいますかっ……」
「ほら～！」
「Aちゃん今すごく女の子だよ…！可愛い…！」
「私は普段から立派な女の子です～！」
空になったお弁当箱をしまいながら反論する。
「まあでも、連絡先もらったんならヘタレなアンタにしては立派ね」
「もらったっていうかくれたんだけどね…ていうか今ヘタレって言った！？」
「だってヘタレじゃん」
「うぐっ…それ否定できないのつらい」
胸を押さえて机に突っ伏する。
「だってもうどうしたらいいか分かんないし…」
「重症だわ」
「でも、その時は普通に話してたんでしょ？」
「意外と冷静だったのねその時は……家帰って落ち着いて考えたらもう無理」
「考えるからよ」
「普通考えるでしょ？！」
「ねえねえ、Aちゃんはその先輩のどこが好きなの？かっこいいの？」
「え”、まあ……うん、かっこいいよ、すごく」
「どういうところが好き？」
「恋雪目がきらきらしてる…可愛い…」

「えっと……とにかく優しくてね、スマートで、気遣いがすごくて」
「うんうん」
「ギター弾いてるときの真剣な顔とか、かっこよくて……髪の毛もサラサラでね、日光に反射して光ってるのがすごく綺麗で…」
「うんうんうん…！」
「でも一番は歌ってるときかな…澄んでて綺麗な声で、あったかくて…普段、友だちと喋ってるときとのギャップがすごくて……」

恋は盲目、ってよく言うけれど、
たとえ盲目になってるんだとしても、それでもいいやと思えるあたり、私は先輩にがっつり惚れてるんだろうな。

「いいねえ～すっかり恋する乙女だね」
「なっ…！？そんなことないよ！」
「アンタにしては女子らしくて可愛い顔してんじゃない」
「どういうこと！？」
でも、なんだかんだ、こういう会話も楽しくていいかもしれない。