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はじめまして、そのに ページ15

「……ふーぅ……」
待ち合わせ場所のファミレスの前で深く深呼吸をする。
やっぱり“先輩”に対する苦手意識は強いらしい。ここまで緊張するとは自分でも思ってなかった。
意を決して、ドアを開ける。
カランカラン、という小気味よい音を聞きながら、先輩の明るい金髪を探す。

「あ、Aちゃ〜ん!こっちこっち!」
手を振る先輩と同じテーブルには、二人の男の人と一人の女の人がいた。

「こんにちは!」
「こんにちは」
「こ、こんにちは」

明るく挨拶してくれたのは、赤茶の髪と目で、花札みたいなピアスをつけた男の人。
その人の向かい側にいるのは、綺麗な黒髪を横に纏め、蝶の髪飾りをつけた女の人。

……うわぁ眩い……美男美女だぁ……

少し恐縮しながら花札の先輩の隣に目を向ける。
一心不乱にフライドポテトをほおばる…男の人…だ。緑の目に青みのある長めの黒髪、そして何より、超のつく美男子だった。何故かシャツ全開だけど……

「Aちゃん、そこどうぞ」
「あ、ありがとうございます」
我妻先輩の向かい側、蝶々の先輩の隣に座る。
「なに飲む?あ、食べ物でもなにかあれば」
「あ、えっと…じゃあ、オレンジジュースで…」
「オッケー」
我妻先輩が店員さんと会話をしている間、花札の先輩が話しかけてきた。
「改めて、初めまして!俺は竃門炭治郎!こっちは栗花落カナヲと、嘴平伊ノ助。みんな善逸の同級生で、同じ高校の二年だ」
「は、初めまして。一年の早見Aです…」
「Aちゃんとはたまたま知り合ってさ、めちゃくちゃ歌が上手いんだ。だからぜひボーカルにどうかなって」

「俺は賛成だぞ!善逸が推すんだからな!」
花札の竃門先輩が眩しい笑顔でうなずく。
ぜったいモテるんだろうなあこの人……
「私もいいと思う」
蝶々の先輩、栗花落先輩も口を開いた。栗花落先輩の微笑みはとても綺麗で、ミステリアスな雰囲気が漂っている。
「伊ノ助は?」
「あ?」
声太っ!?
勝手に細い声を想像していたので驚いた。顔はものすごく美少女なのに…
「まあ伊ノ助はいいや、Aちゃん、
勝手に話進んじゃってるけど大丈夫?」
「あ、大丈夫です」

「あ、でも…一回、早見さんの歌、聴いてみたいな」
「え」
いや竃門先輩、その笑顔で、その声色で言われたら女の子はみんな惚れるよ。
私は惚れてないけど……

「そうだね、確かに歌も聴かせずにいきなりメンバーに入れるってのも良くないし…」
「え」

「一回、皆に歌聴かせたいんだけど、いいかな?」

作者のひとりごと、に→←意外な展開?


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作者名:merry | 作成日時:2020年11月29日 21時

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