検索窓
今日:7 hit、昨日:3 hit、合計:42,517 hit

ロジカルデスゲーム 24 もう一度 ページ3

ちゃんと話したほうがいいよ。

そう、Aちゃんに言われた気がした。
…Aちゃんだけやない。
みんなに、そう言われた気がして、照れくさい。

みんなが出て行って、閉まるドア。
2人になって急に静けさを帯びた病室。
仕方なく、ベッドの近くの椅子の肘置きに
腰を下ろした。

「なぁ。」

声をかけると、紙コップを眺めて居た
火村が視線をこちらに向ける。

「俺は…危険な目にあいたなかったら
お前とは一緒におらん。
…せやからな…
俺を独りにすんな…。」

なんで置いて行った?
責め立てたい気持ちは消えていない。
けど、彼の気持ちがわかっていないわけではない。
だから、希望だけ。
大丈夫だから、置いて行ってくれるな。
それだけ伝える。

「Aがいるだろう。」

そうやけど。
そういうことやない。
それは、間違いなく火村(こいつ)もわかっているはずで。

…諸星との戦いのために、
俺が1人にならないように
Aちゃんを連れて来たわけやないよな?
って、不安がもやもやと浮かび上がって来る。

「あいつはワザと俺にチャンスを与えたのかもしれない。
もう一度俺と遊ぶために。」

「もう終わったんや。」

そう火村に、自分に言い聞かせる。

「もう一度なんてない。」

有栖の言葉に、
火村は自分が、諸星に告げた言葉を思い出す。

"次は必ず、お前を狩る"

その言葉に、確かに彼女は幸せそうに
笑みを浮かべたのだ。

「とにかく、一件落着や。
…少し休め。」

「あぁ。」

「ほんっまに…無事でよかったわ…。」

火村に背中を向けたまま
有栖は噛みしめるように言う。
無事に戻ってくれてよかった。
それ以上、言葉が出てこない。

「ほなな。」

「ほなな。」

ふ。と笑った火村の声を聞きながら
病室を出た。

Aちゃん…どこ行ったんやろ。
少し話したい。

探しながら、病院の待合室に向かう途中
黒づくめの格好に、
マスクで顔を隠して横を通り過ぎた男。
怪しい動きに

「おい。
どこ行くんや。」

と低い声で言って、肩を掴み引き戻す。

「あー?
あー…なんや、有栖ちゃんか。」

マスクを取って、顔を見せたのは八十田だった。

「やそーださんかぁ。
びっくりしたぁ。
どないしたん?」

「今日休みでやなぁ。
で、嫁さん妊婦(コレ)やろ?
そしたら、下でAちゃんとコマチに会うてやな。
で?火村ちゃん、どない?
大丈夫?」

「…いま、ちょっと休ませてる。」

「ん…あぁ。
そしたら…最新のエコー写真、見る?」

「うん。見せて。」

ロジカルデスゲーム 25 内通者→←ロジカルデスゲーム 23 二人きりに



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (115 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
68人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

結姫(プロフ) - かめふぁむさん» なるほど><いつのまにかびっくり企画!だったのにwダメだったですね>< (2017年11月2日 23時) (レス) id: 2910946d8c (このIDを非表示/違反報告)
かめふぁむ(プロフ) - お気に入りの作者に登録させて貰ってるので新しい作品作ると通知来るようにしてるので笑楽しみに待ってますね! (2017年11月2日 21時) (レス) id: 4b088e2038 (このIDを非表示/違反報告)
結姫(プロフ) - かめふぁむさん» !?気づくの早いですね><びっくりしたー。名前変換機能が効かずに停滞中です…>< (2017年11月2日 18時) (レス) id: 2910946d8c (このIDを非表示/違反報告)
かめふぁむ(プロフ) - もう続編作ってくれたんですねー^ - ^楽しみに待ってます! (2017年11月1日 13時) (レス) id: 4b088e2038 (このIDを非表示/違反報告)
結姫(プロフ) - みほさん» www簡潔なリクエスト、ありがとうございます。僕やり、もう少し落ち着いたら書いてみます! (2017年10月24日 22時) (レス) id: aa658a14f4 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:結姫 | 作成日時:2017年9月20日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。