Episode01 M42 ページ42
「おい〜、お見合いじゃねんだよ！」
「ほら、手ぇ出せよ！」
「マジで行け、マジで！」
取っ組みあったままの僕らに嫌気がさしたみたいに、野次が飛ぶ。
「うぅー。」
でも、出来ることといえば、
掴むのを肩から頬に変える事くらい。
お互いの顔がブサイクに歪む。
「やれよ、ほら。
マジで殺すぞ！」
ウンコを倒したいなんて意思はほとんど無くて。
「おー！」
ウンコに殴られても、怒りが湧いてきたわけじゃない。
ただ市橋の目に、声に突き落とされるように
ウンコを殴り返す。
「いいねー！」
「いいね〜！ははっ！」
「あぁー！」
自暴自棄になったみたいなウンコからの
パンチに歓声が上がった。
「いいね〜、ウンコいいね！」
なにが楽しいと言うのだろう。
殴られるのが嫌だから
再度、ウンコと取っ組みあう。
「あぁ…ああ…。」
「もう…もう大丈夫。」
だから、呻くようなウンコの声が…
救いに聞こえた。
「えっ？」
「助けが来ます。」
「えっ？」
「パトカー、俺が呼んだんです。
後ろ見てください…ほら。」
「まじ？」
ウンコを離し、振り返る。
おまわりさんが来てくれたなら、
この地獄は終わりだ。
よかった。
もう終わる…。
「どこ？」
しかし、入り口のドアは閉まったまま。
サイレンの音も、パトライトの赤い光さえ入り込んで来てはいない。
「引っかかったなー！」
後ろから飛びついてくるウンコ。
背中に付いた彼を、積んであった
木のパレットにぶつけ引き剥がし
一発お見舞いする。
「いいぞいいぞ！」
「返した！」
「おっ マウント！」
倒れたウンコに、馬乗りになって
ひたすらに顔を殴り続けた。
終わったと思ったのに
助かったと思ったのに！
安堵が消えて、湧いて来た怒りが止まらない。
「おいっ！おいっ！おいっ！おいっ！」
殴るのに合わせて、上がる歓声。
ウンコの顔が、だんだんと赤く
血に染まって行く。
「あぁ〜！！」
殴るのをやめ、首に手を回す。
ウンコの首に絡めた指が、段々とキツく閉まり
彼の呼吸を奪っていく。
「げほっごほっ…。」
タップされる床。
抵抗もない。
…勝った。
よかった…。
「勝ちましたー！」
これで帰れる。
思わずガッツポーズ
その安堵の気持ちを掻き消すように
「まだだろ？」
と市橋が言う。
「えっ？」
「まだ生きてんじゃん。」
そ…そりゃそうでしょ…。
掲げていた腕が、重力に負ける。
信じられなくて、俺は呆然と市橋の言葉を聞いていた。
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結姫(プロフ) - みほさん» しばらくは、出てこないと思う♪乙女な小説が書きたいのに！汚物のはなしばっかり＞＜ということで、また次巻〜 (2017年8月8日 19時) (
レス) id: aa658a14f4 (このIDを非表示/違反報告)
みほ(プロフ) - 結姫さん» すっごい書いてありましたねｗｗｗ1巻目完結おめでとうございます＾＾我儘なリクエスト、聞いてくれてありがとうございました！次も楽しみにしています♪ (2017年8月8日 19時) (レス) id: ffa53d8167 (このIDを非表示/違反報告)
結姫(プロフ) - レオナさん» レオナさん、ごめんなさい。2巻目まだ公開できる状況になってなくて、下書きのままなのです。リンクややこしくてすみません><少々おまちください (2017年8月6日 11時) (レス) id: 2910946d8c (このIDを非表示/違反報告)
結姫(プロフ) - しおらんさん» しおらんさん、ありがとうございます^^ケーキシーン、ほんとはもっと長かったんですけど、パート1をトビオのセリフで終わりたくて、若干短く><そのうちその時の話ももう一度出てくる予定なので、次巻もよろしくお付き合いください^^ (2017年8月6日 11時) (レス) id: 2910946d8c (このIDを非表示/違反報告)
レオナ(プロフ) - 毎回楽しく読ませてもらってます！パート2なんですけど、パスワードかかってますか？ (2017年8月6日 0時) (レス) id: 1e5c4cc75a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：結姫 | 作成日時：2017年7月20日 0時
