Like Salome 58 ページ49
「あれは、番犬？」
着いた店で神藤を見つけると、
笑顔で威嚇したうえで、香久は帰っていった。
神藤は、煙草を吸いながら苦笑する。
『いえいえ、お友達です。』
「まぁいいや。
早速本題入るけど…。」
煙草を灰皿に押し付け、火を消しながら言う神藤は、
胸ポケットからメモ帳のようなものを取り出して開く。
『あ、神藤様。』
「もう、店やめてるんだろ？
様付けで呼ぶのはやめようぜ？
まわりに何事かと思われる。」
慌てて名前を呼んだAに、
神藤は苦笑した。
もっともかと思い、Aは小さく頷く。
『では、えっと神藤さん。
先に、申し上げておきますと…。』
「いい、いい。
別に、あんたから情報巻き上げようとは思ってないよ。
単純に捜査協力。
民間人の義務だろ？」
口角をあげた神藤は、手元のメモ帳をめくる。
「ミイの太客だった、楠瀬。
これは深江に聞いてるんだろ？
亡くなったらしいが…。」
伺うような視線に、Aは黙って頷いた。
「亡くなった人間を悪く言うのはどうかと思うが…。
楠瀬は相当…なんていうんだ？プレーボーイっていうと古いか？」
なんせ、若い子と話すのは、
取材か、キャバクラだけなもんでと、
神藤は照れくさそうに頭をかいた。
「深江の店でも、何人かの女の子に同時に手だしてたみたいだな。
ミイ…だけじゃないみたいだが、結婚の約束もしてたって話だ。
楠瀬の勤めてる結構大手の医療メーカーのお偉いさんに気に入られて
出世頭だったみたいだが、婚約の話が出たとかで、
店の子切ろうとして、色々揉めてたらしい。
半泣きのミイから一度、愚痴を聞いたことがあった。
ま、ミイは途中でふっきれて手切れ金代わりに通わせてたみたいだが。」
『そっか。』
「ん？」
何か気になることあったか？と、神藤がメモからAに
目線をあげた。
『神藤さん、ミイさんの事…解決したくて調べて
私に連絡くださったんですね。』
「なんだと思ってたんだ？」
『なんでだろうと思ってました。』
不満げに顔を顰める神藤に、Aはくすくすと笑う。
「ほんとは、楠瀬が婚約の件でもめて、
ミイを殺したんだと思ったんだが…。
楠瀬が死んだって聞いてな。
Aちゃんのこと思い出して、深江に電話番号聞いたんだ。」
なかなか教えてくれなくて、苦労したわ。
と、苦笑する神藤。
『ほかに、楠瀬さんが手を出していた女の子って解りますか？』
「あぁ。
こいつらだな。」
神藤は、メモをびりっと破ってAに渡した。
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結姫(プロフ) - 黒猫さん» 黒猫さん、コメントありがとうございます！わたしも機種変で久しぶりに占ツクを開きました。久しぶりに読み直して更新してみようかなーと思う温かいお言葉ありがとうございます (2021年11月30日 22時) (
レス) id: 3be09aaa01 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫(プロフ) - 。久しぶりに占ツクを開いて、初めから読んでいますが何度読んでも、この回と今？最新のあたりはちょっと苦しくなるくらい物語に没頭してしまいます。つい読み返してしまう作品です。あまり頻繁には読めていませんが、面白いのでこのまま最新まで読み進めたいと思います (2021年11月5日 2時) (レス) id: 65cf13def1 (このIDを非表示/違反報告)
結姫(プロフ) - みほさん、ありがとさんです♪11も今晩には公開予定です＾＾ (2017年4月7日 11時) (レス) id: aa658a14f4 (このIDを非表示/違反報告)
みほ(プロフ) - 10巻完結おめでとうございます！！11も楽しみにしています♪ (2017年4月7日 10時) (レス) id: ffa53d8167 (このIDを非表示/違反報告)
結姫(プロフ) - アソパソマソさん» アソパソマソさん、それです(笑)と言うことで、分岐点は13の予定…。着実にシャングリラの……あとは読んでいただいてのお楽しみ♪ (2017年4月7日 7時) (レス) id: 2910946d8c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：結姫 | 作成日時：2017年3月6日 22時
