Like Salome 43 ページ34
『なんと言ったらいいのか…。』
まさか、こんなところで聞かれるとは思っていなかったので
口が重い。
本音をいえば…
告げてほしくなかった。
『有栖川さんは、私にはもったいなくて。』
もったいない？
と、火村が眉を寄せる。
なんで、こいつに対してそういう感情をもつ？
不満げな表情の火村と、不安そうに座る有栖。
今が大事だと思えていたのに。
…彼はまっすぐでキレイで。
りゅーの件がなかったら…どうなんだろうと思っても
答えは出なかった。
好きという気持ちがわからない。
間違いなく、せんせいも、有栖川さんも大切だとは思っている。
でも有栖川さんが伝えてくれた気持ちは、きっとこれとは別のものだろう。
りゅーと、有栖川さんと、せんせい。
好きという気持ちに、順位なんてつくんだろうか？
恵一君の言っていた、もし同時におぼれていたら…をもう一度試してみる。
3人が溺れていたら、私はだれを助けるんだろうか？
りゅーは…大切な幼馴染で。
家族を亡くした後、兄のような存在になった。
爆弾テロを起こし、多くの人が犠牲になっているとわかっていても
彼のことを嫌いになることはできなかった。
せんせいと、有栖川さんを盾に取られている今だって
嫌いにはなれないでいる。
だからといって、せんせいと有栖川さんより
りゅーが大切なんて思えるわけでもなくて。
りゅーが…せんせいと有栖川さんを殺したら…
そう思うと、喉の奥がカッと熱くなるけど、
頭は全然働かない。
「我々と距離を置こうとしているのは、
アリスの告白のせいか？」
火村の問いかけに、Aは首を横に振る。
避け始めた方が先。
きっと、そんな事は、せんせいもわかっているはず。
タイミングが合わないこと知りながら、わざわざ聞いたのは、
きっと元気のない相棒を励ますためなのだろう。
『一緒にいてあげなきゃいけない、
大切な人がいるんです…。』
見張っておかないと危ない、幼馴染。
『その人のために…お二人と距離を置きたかった。』
それで二人を守れるなら、離れるくらいなんてことないと思う。
少し寂しいのを我慢すればいい。
『すぐに、一緒にいれるわけではないんですけど…。
でも、大事な人で…。だから…えっと…。
彼に心配をかけたくなくて。』
「彼が嫉妬をする？」
『…はい。』
「そんな小さい男はやめなさい。」
火村は、眉を寄せきっぱりと言い
「と、言いたいところだが…。」
仕方ないな。と表情を柔らかくした。
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結姫(プロフ) - 黒猫さん» 黒猫さん、コメントありがとうございます！わたしも機種変で久しぶりに占ツクを開きました。久しぶりに読み直して更新してみようかなーと思う温かいお言葉ありがとうございます (2021年11月30日 22時) (
レス) id: 3be09aaa01 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫(プロフ) - 。久しぶりに占ツクを開いて、初めから読んでいますが何度読んでも、この回と今？最新のあたりはちょっと苦しくなるくらい物語に没頭してしまいます。つい読み返してしまう作品です。あまり頻繁には読めていませんが、面白いのでこのまま最新まで読み進めたいと思います (2021年11月5日 2時) (レス) id: 65cf13def1 (このIDを非表示/違反報告)
結姫(プロフ) - みほさん、ありがとさんです♪11も今晩には公開予定です＾＾ (2017年4月7日 11時) (レス) id: aa658a14f4 (このIDを非表示/違反報告)
みほ(プロフ) - 10巻完結おめでとうございます！！11も楽しみにしています♪ (2017年4月7日 10時) (レス) id: ffa53d8167 (このIDを非表示/違反報告)
結姫(プロフ) - アソパソマソさん» アソパソマソさん、それです(笑)と言うことで、分岐点は13の予定…。着実にシャングリラの……あとは読んでいただいてのお楽しみ♪ (2017年4月7日 7時) (レス) id: 2910946d8c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：結姫 | 作成日時：2017年3月6日 22時
