空白で満たして【mfmf】【短編】 (ページ2)

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早く大人になりたい。
この呪縛から開放されたい。

毎朝同じようなことを呟きながら家を出る。
学校というものはどれだけ僕を閉じ込めれば気が済むのだろうか。

「あんなことされてまだ学校来れんのかよw」

うるさい。

「お前まだ懲りねぇの？」

うるさい、

「早くﾀﾋんでくんねぇかなぁ」

うるさい、！！！

ケラケラと猿のように笑う奴ら、直接攻撃してくる奴ら、それを見ているだけで何も行動を起こさない奴ら。
この世はこの3つでできている。
所詮人間だから。僕が我慢をすればいいから。

「興味が無いならもういっその事嫌ってくれ」

ぽつりと呟いた。

『ねぇ。そこ、私の席なんだけど。』

彼女は教室の空気を諸共せずに僕の隣に座った。

「なんだよA！！空気ぶち壊しやがって！」

『空気は、吸うもんやで？』

彼女が何とも予想外の回答をするので、教室中は笑いに包まれた。
というのも、彼女は大阪から来たらしくてまだ関西弁が抜けていない。珍しいので余計に面白く感じるのだ。

ちらっと彼女の方を見るも、眠そうにしていて僕のことなんか視界にも入っていなかった。

そんな彼女の存在が唯一の救いだった。