※三途君は取り扱い注意です※

44.いい思い出 ページ44

映画が始まってから後悔した。


どうしよう…。めちゃくちゃ怖い。


目を瞑っても音が聞こえるし、途中でやめることもできない。


春千代は、真顔でみている。


よくこんな怖いのみられるな…。


そして、しばらくみた時ー。


『きゃっ！』


とうとう声を出してしまった。


そして、春千代の手に触れてしまった。


『ごめん…。ビックリしてつい…。』


春「大丈夫か？」


春千代はそう言って、私の手を握ってくれた。


春「こっちの方が、少しは怖くねぇだろ？」


『うん…。』


さっきまで、ホラー映画でドキドキしていたが、今は違うドキドキになった。


無事に映画が終わり、映画館を抜け出す。


『ごめん…私実はホラー系苦手なんだ…。』


春「やっぱりな。無理させてごめんな。」


ポンポン


頭をポンポンされた。

いやもう私を殺す気！？

心臓もたないって！！


私はそんな感情をグッと抑えた。


『ううん。私の方こそ、せっかくの映画を邪魔してごめん。』


春「邪魔なんかなってねぇよ。俺にとっても、いい思い出できたし。」


『いい思い出？』


春「あぁ。初めて好きな奴の手を握れた。」


ん…？好きな奴…？

『春千代それってどういうk
春「わりぃ！今日もう俺帰るわ！じゃあな！」


『えっ、ちょっ…。』


春千代は走って帰っちゃった。


でも、

春千代の頬がほんのり赤かったような気がする…。

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