番外編[たとえばシンデレラ��] (※5000,6000hit記念) ページ33
俺だって“感じた”じゃないか。
…………彼女の願いが、やがて彼女自身を破滅させそうだと。
「キミを、喪いたくない」
「…………！！！」
「傍にいたい。護りたい。頑なに願いを叶えたがる、A自身からも。それで、できれば」
「全部が終わったら、俺と生きてほしい」
……その時、不意に。
意識が急激に浮上する気がした。
“目覚める”と妙に確信する、夢特有の浮遊感。
(ああ。やっぱり夢だったのか)
それでもいい。
それなら現実で、キミに会いに行くから。
…………この気持ちを伝えにいくから。
手を伸ばす。
いつか、届かなかった指先が。
呆然と立ち尽くし頬を濡らすAの涙を拭った────────
「……、…………ト」
ああ、呼んでいる。
微睡みの向こうから声がする。
俺は、キミを、知っている―――――――――
「…………起きてキリト」
「うぐっ！？」
なんて余韻に浸ってたら強烈な拳骨を頂きました(なんてAらしい起こし方だろう、涙がでそうだ)。
飛び起きようと思ったけど、なぜか全身が痺れて動けない。
「……モンスターの麻痺攻撃くらってる。それと同時に気を失うからビックリした」
「え、戦闘中にか？」
「……うん。私ひとりでも斃せたから問題ないけど、なかなか目を覚まさないから、心配した」
「それなのに拳で起こしたのか……？」
「……最初は声だった。それでも起きないから」
しれっと言いつつ、気分はどう？ とAの小さな手がそっと額に触れる。
なんだかんだ言っても、こちらを気遣うような視線が、随分長く意識を失っていただろうことを俺に教えた。
(夢を見てたんだ、って言ったら。なんていうかな)
怒るだろうか。呆れるだろうか。それともますます心配そうになる？
変な夢だったよ。
…………でも、あのときの決意が、確かな“熱”として残ってる。
“キミに、伝えたい”と。
「……麻痺毒が抜けるまで寝てていいよ。とりあえず目は覚ましたから、さっきの気絶は一過性のものみたいだし」
「おいおい、雑な診断だな。原因とか解明しないのかよ」
「……私は医者じゃないもの。考えたところで、そんなのわからないよ」
まぁでも、とAが少し笑う。
「……大変な目に遭ったのは事実だし。いまなら何かひとつだけ、お願い叶えてあげるよ？」
「え。なんでもいいのか？」
「……私にできることなら」
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moeka(プロフ) - 最近更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しいです。待ってます。 (2020年12月16日 20時) (
レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶 - 15-4〜16-7までの流れが、主人公の葛藤と矛盾が鮮明に描かれていて心に刺さりました。この作品面白いので更新頑張ってください。応援させていただきます。 (2018年11月14日 20時) (レス) id: 10e431e9a6 (このIDを非表示/違反報告)
夢巫女 - シリアス大好きです。この二人がこのあとどうなるのか気になります。更新お忙しいと思いますが、頑張ってください。楽しみにしてます。 (2018年11月6日 21時) (レス) id: 6cc7262479 (このIDを非表示/違反報告)
コトノハ - この作品、私のどストライクな作品です！！もう更新してくれないのでしょうか？続き楽しみに待ってます！ (2018年10月28日 14時) (レス) id: 611c145fdc (このIDを非表示/違反報告)
Kizuna(プロフ) - アリスさん、コメントありがとうございます！！！ヘ(≧▽≦ヘ)♪ そう言って頂けるととても嬉しいです…！前回更新からだいぶ長いこと時間があいてしまいましたが、またちょこちょこ書いていきますので、よろしくお願いします(*≧∀≦*) (2018年1月19日 14時) (レス) id: 62524f433b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kizuna | 作成日時：2017年4月9日 16時
