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それなのにどうしてこんなことになっているのか、まったくもってワケがわからない。
一人大混乱な私を、リズベットはむしろ同情する視線で見て。
そして、キリトは─────
「うん。やっぱ、内緒にしとくな」
「………………??」
どうしてだかひどく静謐な瞳で、私を見ていた。
何の感情も読み取れないのに、絶対に“何か”があるとわかるような。
「まぁ、ともかくだ。朝ごはんにしようぜ」
そういうとキリトは早々にベッドロールを片付け、食事の支度に取りかかる。
手順は昨日と同じ、ただし食材はキリトのストックから。
私もため息をついて気持ちを切り替え、ベッドロールをアイテム欄に収納してそちらに向かおうとして、何かが雪の中で光った気がして足を止めた。
「………………?」
「どうしたの、A??」
訝しげなリズベット。
その問いにも答えず、氷壁に幾重にも反射してきた朝陽がキラキラと輝かせる雪を無言でざくざくと掘って────
「……………これ」
「あ!? 金属素材(インゴット)!」
「……………うん。でも、なんで」
「ドラゴンは水晶を齧り、腹のなかで精製する、かぁ。なるほどな」
なにやら思いついたらしいキリトが、私の持つ金属素材を見て苦笑する。
「……………?」
「つまりさ、この縦穴はトラップじゃなくて、ドラゴンの巣だったんだ。んで、それは排泄物」
「…………………………リズ、あげる」
「ちょっとぉぉぉ!!!?」
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moeka(プロフ) - 最近更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しいです。待ってます。 (2020年12月16日 20時) (レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶 - 15-4〜16-7までの流れが、主人公の葛藤と矛盾が鮮明に描かれていて心に刺さりました。この作品面白いので更新頑張ってください。応援させていただきます。 (2018年11月14日 20時) (レス) id: 10e431e9a6 (このIDを非表示/違反報告)
夢巫女 - シリアス大好きです。この二人がこのあとどうなるのか気になります。更新お忙しいと思いますが、頑張ってください。楽しみにしてます。 (2018年11月6日 21時) (レス) id: 6cc7262479 (このIDを非表示/違反報告)
コトノハ - この作品、私のどストライクな作品です!!もう更新してくれないのでしょうか?続き楽しみに待ってます! (2018年10月28日 14時) (レス) id: 611c145fdc (このIDを非表示/違反報告)
Kizuna(プロフ) - アリスさん、コメントありがとうございます!!!ヘ(≧▽≦ヘ)♪ そう言って頂けるととても嬉しいです…!前回更新からだいぶ長いこと時間があいてしまいましたが、またちょこちょこ書いていきますので、よろしくお願いします(*≧∀≦*) (2018年1月19日 14時) (レス) id: 62524f433b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Kizuna | 作成日時:2017年4月9日 16時