番外編[たとえばシンデレラ��] (※5000,6000hit記念) ページ29
「ひ、ひどい目にあった…………」
あの後。
本気で家中の掃除と何着ものドレスを繕わされ、翌日の夜二人を見送った俺は、疲労困憊で屋根裏部屋のベッドに倒れこんだ。
「まさか本気で全部やらせるとは……もう当分なにもしたくない…………にしても、いったいどうなってるんだよこの世界は。まさか本当にシンデレラの…………？」
だとしたら、この後の展開は何だっただろうか。
確か姉二人は舞踏会に行くのにシンデレラは留守番で、それを不憫に思った妖精が────
「……大丈夫？ シンデレラ。ひどいお姉様たちだね」
「────ってAかよ！！！」
目映い光とともに現れたのはAだった。
思わず盛大にツッコミを入れて…………俺は目を丸くした。
Aが、普段のコイツじゃ絶対着ないような、ヒラヒラフワフワした服を着ていたからだ。
妖精っぽく花びらを何枚も重ねて作ったような薄桃色のドレス。頭には純白のヘッドドレスをつけ、手には水晶がついた杖を握っている。
足元はドレスと同じ色の、雲の上しか歩けないような繊細なドレスシューズ。
(………………可愛い……………)
なんて見惚れたのは秘密だ、断じて秘密だ。
…………しかし惜しむらくはここでもAは無表情なこと。
「……可哀想なシンデレラ。でも、安心して。私が今夜の舞踏会にあなたを連れて行って上げる」
「いやいやいやお話としては間違ってないけど俺は男だぞ！？ シンデレラ、is、男！！！」
「…………ビビディ・バビディ・ブー」
「聞けよ人の話！ あとやる気ないな！！！」
ツッコミが追いつかない。
そして、抵抗むなしくドレス姿に変えられてしまった。
「ぎゃあああ！！？ 何が悲しくてドレスなんか着なきゃならないんだよ、あといつの間にか部屋の外！？」
「…………あのカボチャの馬車に乗れば、お城に行ける」
「だから行かねぇっての！！！」
「────どうして？ 舞踏会に出て、王子様と結ばれたら、あなたは幸せになれるのに」
Aが心底不思議そうに聞いてくる。
いやいやこっちが“どうして”だ。お前こそその妙な自信はなんだ。
「……それが、あなたの“幸せ”なのに」
「A…………？」
「……だって、そうでしょう？ シンデレラはお城に行って王子様と結ばれなくちゃ幸せになれない。それと同じで、“キリト”も────」
「え！？ お前、今────」
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moeka(プロフ) - 最近更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しいです。待ってます。 (2020年12月16日 20時) (
レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶 - 15-4〜16-7までの流れが、主人公の葛藤と矛盾が鮮明に描かれていて心に刺さりました。この作品面白いので更新頑張ってください。応援させていただきます。 (2018年11月14日 20時) (レス) id: 10e431e9a6 (このIDを非表示/違反報告)
夢巫女 - シリアス大好きです。この二人がこのあとどうなるのか気になります。更新お忙しいと思いますが、頑張ってください。楽しみにしてます。 (2018年11月6日 21時) (レス) id: 6cc7262479 (このIDを非表示/違反報告)
コトノハ - この作品、私のどストライクな作品です！！もう更新してくれないのでしょうか？続き楽しみに待ってます！ (2018年10月28日 14時) (レス) id: 611c145fdc (このIDを非表示/違反報告)
Kizuna(プロフ) - アリスさん、コメントありがとうございます！！！ヘ(≧▽≦ヘ)♪ そう言って頂けるととても嬉しいです…！前回更新からだいぶ長いこと時間があいてしまいましたが、またちょこちょこ書いていきますので、よろしくお願いします(*≧∀≦*) (2018年1月19日 14時) (レス) id: 62524f433b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kizuna | 作成日時：2017年4月9日 16時
