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「私、頑張るよ。頑張って生き残って、強くなる。…………目指す場所に行けるように」
そう言ったアスナが踵を返して、第一層に戻るための扉の向こうに消えていく。
それを確認したキリトが、
システムメニューを呼び出し。
……僅かな逡巡の後にパーティーを解散する。
それからこっちに向き直って、
無理に張り付けたような笑顔を浮かべた。
「よし、んじゃ行くか!」
「……………」
「A?」
どうした、とキリトが首を傾げる。
……ふわっ、と。
葛藤のすえに片手を上げて操作した。
システムメニューの画面が幾つか切り替わり、通知音が鳴って────
《キリトをパーティーに誘いました。返事を待っています》
待機メッセージの向こうで、キリトが眼を見開く。
「…………キリトを、死なせたくない。だからこれからはパーティーを組みたい」
最後には、願いのために利用するとしても。そのせいで苦しめるとわかっていても。
キミには現実(リアル)に帰って、そして生きてほしい。………………私の分まで。
その為にはこの世界で生き延びないといけないけれど。
モンスターに加えてプレイヤーにまで狙われる身となった以上、それは独り(ソロプレイ)では難しいだろう。
……だからこうするのが最善なんだ、と卑怯な言い訳をして。
キリトが本当に嬉しそうに頷き、
《Yes》に触れるのを見守った─────
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Kizuna(プロフ) - わあああすみません!!!ご指摘ありがとうございます(>o<") (2017年3月7日 14時) (レス) id: 62524f433b (このIDを非表示/違反報告)
ネムム(プロフ) - オリジナルフラグを外してくださいねー (2017年3月7日 13時) (レス) id: 2bd2d16489 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Kizuna | 作成日時:2017年3月3日 20時