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ほぼ暗闇に沈んでいたボス部屋の左右の壁で、ぼっと粗雑な松明が燃え上がる。
それは次々に数を増やし、部屋の奥へ向かっていって、そして─────
(………………いた)
部屋の最奥、粗野だが巨大な玉座に座す何者かを照らし出す。
私がそれを認識したのとほぼ同時、ディアベルが掲げたままの長剣をさっと振り下ろした。
瞬間、盛大にあがる鬨(とき)の声。
…………その勢いのまま一気にボス部屋へ雪崩れ込む。
(────！)
人波をすり抜け、なるべく前衛に近づけるよう駆け出しながら、素早く周囲に視線を走らせる。
先行したのはA隊。その左斜め後方に、斧戦士エギル率いるB隊と私。
右側には、ディアベルを擁するC隊と、D隊。更にその後ろをキバオウ率いる遊撃E隊、長柄武器(ポールアーム)装備のF,G隊が3パーティーで並走している。
そしていちばん殿(しんがり)に、キリトとアスナ────
「グルルルルアアアアッ！！！」
ハッと視線を戻せば、A隊の真ん前に《イルファング・ザ・コボルドロード》──青灰色の毛皮をまとった、二メートルを越える巨躯の獣人が着地したところだった。
咄嗟に鳩笛(オカリナ)を吹き鳴らす。
パラメータ強化を示す光が、辛うじて最前列のA隊にもかかった瞬間──
コボルドロードが力任せに叩きつけた骨斧を、
A隊リーダーの分厚いヒーターシールドが真っ向から受け止める。
眩いライトエフェクトが弾け、強烈な衝撃音が広間を揺らした。
それを合図に、左右の壁の高いところから、三匹の獣武装モンスターが飛び降りてくる。
ボスの取り巻き、《ルインコボルド・センチネル》だ。
「E隊、頼む！ サポート二人も続け！！！」
「「「了解！！！」」」
すかさずディアベルの指示が飛ぶ。
私もいったん下がって、遊撃隊とキリトたちの強化に回る。
鳩笛(オカリナ)を吹き鳴らし、効果を示す光がE隊やキリト、アスナにかかるのを見届けてから、再び前列へ。
あとはひたすら、効果が切れる度に近づいて鳩笛(オカリナ)を吹くのを繰り返して。
(…………今のところ、戦線が崩壊する気配はない)
ディアベルの作戦は、七つの6人パーティーを、
壁(タンク)、攻撃(アタッカー)、支援(サポート)役に分けるもの。
シンプルだが破綻に至る穴も少ない、基本に忠実なローテーションのおかけで、いまのところどの部隊にも余裕がある。
ボスの攻撃を常に引き受ける壁役ですら、HPを半減(黄色く)させたことがある程度。
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Kizuna(プロフ) - わあああすみません！！！ご指摘ありがとうございます(>o<") (2017年3月7日 14時) (
レス) id: 62524f433b (このIDを非表示/違反報告)
ネムム(プロフ) - オリジナルフラグを外してくださいねー (2017年3月7日 13時) (レス) id: 2bd2d16489 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kizuna | 作成日時：2017年3月3日 20時
