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3-2 (side.unknown) ページ15

「は? 何言ってんだよ。こいつらが死んだのは自分のせいだろ。もしくはこんな世界に閉じ込めやがった茅場晶彦のせいだ」

そいつは、答えなかった。

ただ唯一見える口元だけが、緩やかに弧を描く。……まるで自嘲するように。


「……もう、行くね」


ソイツは身を翻してさっさと歩いていく。
見たことのない奴だから、きっとここを出て戦っている一人だろう。
……《はじまりの街》を飛びだした愚か者。
ここから脱出することを諦めていない、俺が嫌いな英雄(ヒーロー)気取り。

(…………馬っ鹿じゃねぇの…………)

そう思うのに。
心にうまれたモヤモヤが消えない。
ここで鎮魂歌(レクイエム)なんか吹いてたアイツせいだ。

……気がついちゃったじゃないか。

死んだら“終わり”の、この世界で。
この石碑で横線を引かれた人は、“ちゃんと戦っていたんだ”って。
俺みたいに他人まかせにするんじゃなくて、自分で武器を持ったんだ。

俺が今どうしても打ち勝てないでいる“恐怖”──いつか自分が死ぬかもしれない可能性を抱いたまま、それでも戦う道を選んだ。

……たとえ何も成し遂げられず死んだとしても、それを嗤う資格なんて誰にもない。

「なぁ!」
「………………?」

堪らなくなって、離れていく背中に叫んだ。
肩ごしに振り返る。フードの奥からこっちを見つめる視線が、静かに続きを促している。

「アンタは、諦めねぇの!? まだここから出られると思ってんのかよ」

たくさんの人間が死んだ。
それなのに一層すら攻略されてない。
こんな状況で、どうやって。


「………………その為に“私”がいる」


その言葉の意味はわからなかった。
でも、何か悲壮な決意がそこにはあって。

再びソイツは歩きだす。
今度こそ、立ち止まらない。
やがてその小さな背は《黒鉄宮》の扉の向こうに消えた──────



…………“それ”に気づいたのは、偶然だった。

死んでいった奴のために鳩琴(オカリナ)を吹いてる変な奴に出逢ったせい。

“石碑上で横線を引かれた名前の意味”

消えていった人たちと、
今なお戦い続ける奴らを知った。


もうすぐ、
迷宮区最寄りの町《トールバーナ》で、
《第一層フロアボス攻略会議》が開かれようとしている……。

4→←3 (side.unknown)



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Kizuna(プロフ) - わあああすみません!!!ご指摘ありがとうございます(>o<") (2017年3月7日 14時) (レス) id: 62524f433b (このIDを非表示/違反報告)
ネムム(プロフ) - オリジナルフラグを外してくださいねー (2017年3月7日 13時) (レス) id: 2bd2d16489 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Kizuna | 作成日時:2017年3月3日 20時

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