番外編#8 二人の時間 ページ46
「結婚ねぇ…。」
不意にそう呟いてみると、「マリッジブルーってやつか？」とクラピカ。
あのね、そんなド直球に尋ねてくる旦那さんは君くらいだと思うよ。
なんて言葉を飲み込んで、書類に記名した。
そう、いわゆる婚姻届。
クラピカ「こんな紙一枚で関係性が変わってしまうのだから不思議だな。」
「そうだね。なんだか全然実感無いけど。」
結婚したらきっと何かが変わるんだろうと思っていたけど、面倒な手続きと忙しい結婚式準備以外には何ら変わりないみたいだ。
二人とも苗字が無いから名前はそのままだし、
お互いに天涯孤独な訳で親族に紹介する必要も無い。
なんだか物足りない感じがする。
「娘さんを僕にください。」「娘はやらん。」ってやり取り見てみたかったけどなぁ…。
もし二人が生きていたとして、私が結婚するって知ったらどんな顔したんだろう。
怒ったかな、泣いたかな、喜んでくれたかな。
クラピカ「…なんだ、ニヤニヤして。」
「ふふふ、何でもないよ。」
*
書類の山もひと段落着くと、彼はふぅと大きく息を吹いた。少しだけ緊張した様子で、私を一瞥してから口を開く。
クラピカ「A、式が終わったら行きたいところがあるのだが来てくれないか？」
「何処へ行くの？」
クラピカ「ルクソ地方クルタ村。私の故郷だ。…そしてきっとお前の故郷でもあるはずだ。」
「両親や友人はもう居ないが、私が育ったあの土地に君を紹介したいんだ。」と付け加えて、彼は微笑んだ。
…そっか、描いていた姿と比べて物足りない結婚だなんて思ってたけどそんなことは無かった。私達には私達なりに乗り越えなくてはならない壁があって、私達なりの形があるんだ。
彼が育った土地で、彼を育んでくれた全てに感謝の気持ちを伝えなくちゃ。
「勿論だよ、ついて行きたい。
その前に長期休暇取らないとね。」
クラピカ「あぁ、そうだな。」
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あ - 本当に良い作品でした…名作。。完結お疲れ様でした。2024年ですが (1月16日 1時) (
レス) @page40 id: b41e70529d (このIDを非表示/違反報告)
ありす - もう泣きましたよー！素敵な物語ありがとうございました。お疲れ様です (2022年7月15日 0時) (レス) @page49 id: c887a79125 (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - ひぃさん» コメントありがとうございます。楽しんでいただけたようで何よりです(^^) お返事遅れてしまいすみません。 (2022年7月8日 0時) (レス) @page49 id: a48c4b505b (このIDを非表示/違反報告)
ひぃ(プロフ) - 読んでいく度に続きが気になって夜更かししてまで読んでました笑めっちゃ面白かったです！！これが初めての作品だと…？！文才、めっちゃありましたよ…！今更ですが、完結お疲れ様でした！かにかまさんの他の作品に行ってきます！ (2021年5月28日 18時) (レス) id: 21a845e247 (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - るきさん» 素敵なコメントありがとうございます。最近はH×Hに疎遠になってしまっているのですが、いつか機会があったらまた書きたいなと思っています。気長に待っていただけたら嬉しいです(^^) (2020年11月18日 10時) (レス) id: c18fa87c81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かにかま | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/0660ea0a061/
作成日時：2019年12月15日 7時
