#225 ページ39
すると＿＿＿＿＿＿
交わるはずのなかった視線が交差する。
「え……」
クラピカ「貰い手ならまだここに居るだろう。」
な、何で……クラピカが目を覚まして…る
驚きのあまり喋れなくなって、口をパクパクと動かした。
クラピカ「長い夢を見ていたよ。」
「夢…？」
クラピカ「私は橋を渡ろうとするんだ。
だけど、途中で昔の同胞達や両親、それからお前達が現れて引き留める。
＿＿最後までしつこかったのはお前だよ、A。」
「だから途中で私が折れた。」と付け足して彼は笑った。
その夢は、彼の生命が綱渡り状態にあったことを暗示していたのかもしれない。諦めなくてよかったと、私はほっと胸をなでおろした。
不意に、病室の窓辺から少しだけ暖かさを孕んだ風が吹き付けた。もう春だよ、クラピカ。
秋桜の花なんてもう売っていない。
相変わらず端正な横顔は、肌をくすぐるそれに目を細めてから、ゆっくりと私に視線を合わせた。
クラピカ「どんなにどん底に落ちてしまいそうな絶望も、Aと一緒だったからこそ乗り越えられた。
何度も…本当に何度も助けて貰ったな。」
そんなことないよ。私だって貴方に助けられてばかり。
…でも、確かにクラピカが居てくれたから辛いことも乗り越えられた。
クラピカ「これから先もきっと一筋縄には行かないことが多いだろう。
でも、私はAが隣に居ない未来は考えられない。お前を失った二年が嫌という程そう気付かせてくれたよ。」
うん、待つのは辛いよね。
私はたった半年しか待っていないけど、その辛さを痛感した。
四倍も諦めないで待ち続けてくれたクラピカは、どんなに苦しかったんだろうかって考えるだけで胸が痛い。
クラピカ「A、一生掛けて幸せにする。
＿＿＿＿だから、私と結婚してくれないか。」
「＿＿＿＿はい。」
二人は視線を交えると、何度もキスを落とした。
会えなかった二年間、話せなかった半年間…
その全てをこの一瞬で埋め合わせるかのように。
クラピカ「半年も待たせてしまったな。」
「…もう、待ちくたびれたよ。」
辛い過去を持った私達。
のめり込みすぎると周りが見えなくなる私達。
そんな似たところが多い二人だからこそ、一緒に強くなろう。
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あ - 本当に良い作品でした…名作。。完結お疲れ様でした。2024年ですが (1月16日 1時) (
レス) @page40 id: b41e70529d (このIDを非表示/違反報告)
ありす - もう泣きましたよー！素敵な物語ありがとうございました。お疲れ様です (2022年7月15日 0時) (レス) @page49 id: c887a79125 (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - ひぃさん» コメントありがとうございます。楽しんでいただけたようで何よりです(^^) お返事遅れてしまいすみません。 (2022年7月8日 0時) (レス) @page49 id: a48c4b505b (このIDを非表示/違反報告)
ひぃ(プロフ) - 読んでいく度に続きが気になって夜更かししてまで読んでました笑めっちゃ面白かったです！！これが初めての作品だと…？！文才、めっちゃありましたよ…！今更ですが、完結お疲れ様でした！かにかまさんの他の作品に行ってきます！ (2021年5月28日 18時) (レス) id: 21a845e247 (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - るきさん» 素敵なコメントありがとうございます。最近はH×Hに疎遠になってしまっているのですが、いつか機会があったらまた書きたいなと思っています。気長に待っていただけたら嬉しいです(^^) (2020年11月18日 10時) (レス) id: c18fa87c81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かにかま | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/0660ea0a061/
作成日時：2019年12月15日 7時
