#197 ページ11
20分程歩いて、辿り着いたのは煉瓦作りの一軒家。
「ここは…？」
そう尋ねると、明確な答えの代わりに繋いだ手にギュッと力が加えられた。
二階建てのその建物には殆ど物が置かれていなくて、クラピカは何の為にここに来たのだろうかとますます不思議に思えてくる。
クラピカ「ここは私が買った。…中古だしそんなに立派でもないが。」
「クラピカはここに住んでるの？」
クラピカ「いや、そういう訳では無い。」
「見せたいものがあるんだ。」と彼は奥にある扉を開いた。どうやらその先には地下室が繋がっているらしく、下っていく階段に足を乗せるとコツンと冷たい音が響いた。
*
「！？ 」
規則正しく並べられた緋の目達
そしてそれらを取り囲むようにして配置された美しい花々
案内された先に広がるその光景に、思わず目を見張った。
彼は暖炉に火をつけると、私に部屋の中央に置かれたゆり椅子に座るよう促した。
クラピカ「ここに人を呼ぶのは初めてだ。…というか、最初に呼ぶのはお前だと決めていた。」
「ありがとう、連れて来てくれて。」
クラピカ「あぁ。」
十分に沢山並んでいるのに、話を聞けばまだ半数にも満たないらしい。
(こんなにも多くの人が犠牲になっていたんだ…そしてこの中にはきっと彼の友人や家族だって＿＿)
そうっと横顔に視線をやると、彼は凛としてそれらを見つめていた。何だかその表情は昔とは違って見えた。
今までの彼ならきっと恨み嫉みに満ちた憎しみの表情を浮かべたはず。
だけど今の彼はその感情さえ乗り越えた強さを共にしているようで＿＿＿＿
クラピカ「何だ？人の顔をジロジロ見て。」
「あっ…いや、何でもないよ！ご、ごめん。あは、あはは……」
危うくその不思議な雰囲気に吸い込まれそうになった所を、彼の声に引き止められた。
(……とても綺麗だ。)
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あ - 本当に良い作品でした…名作。。完結お疲れ様でした。2024年ですが (1月16日 1時) (
レス) @page40 id: b41e70529d (このIDを非表示/違反報告)
ありす - もう泣きましたよー！素敵な物語ありがとうございました。お疲れ様です (2022年7月15日 0時) (レス) @page49 id: c887a79125 (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - ひぃさん» コメントありがとうございます。楽しんでいただけたようで何よりです(^^) お返事遅れてしまいすみません。 (2022年7月8日 0時) (レス) @page49 id: a48c4b505b (このIDを非表示/違反報告)
ひぃ(プロフ) - 読んでいく度に続きが気になって夜更かししてまで読んでました笑めっちゃ面白かったです！！これが初めての作品だと…？！文才、めっちゃありましたよ…！今更ですが、完結お疲れ様でした！かにかまさんの他の作品に行ってきます！ (2021年5月28日 18時) (レス) id: 21a845e247 (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - るきさん» 素敵なコメントありがとうございます。最近はH×Hに疎遠になってしまっているのですが、いつか機会があったらまた書きたいなと思っています。気長に待っていただけたら嬉しいです(^^) (2020年11月18日 10時) (レス) id: c18fa87c81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かにかま | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/0660ea0a061/
作成日時：2019年12月15日 7時
