#99 ページ19
紹介所の叔母さんに話をつけてもらって、私とクラピカはヨークシンの中心部からは少し離れたお屋敷へと向かうことになった。
そして今は郊外行きの列車の中。
クラピカ「長旅になりそうだから身体を休めると良い。」
「そうだね、クラピカも本ばっか読んでないでちゃんと寝なよ。」
クラピカ「…善処する。」
「あっ、こら。」
ガタンゴトンと機体が心地よく揺れる。
初めて乗った電車に興奮し、キョロキョロと辺りを見回すことに忙しい私。
一方で、クラピカはいつものように本に齧り付いていた。
(窓の外がこんなに綺麗なのに、見ないなんて勿体ないなぁ。)
「ねぇ海見えるよ！」
クラピカ「ん。」
何さ…人が親切に教えてあげたのに。
もっと反応してくれたっていいんじゃない？
本に目をやったまま、窓に一瞥さえくれないのにイラついて、彼の本をヒョイっと上に持ち上げた。
クラピカ「あっ、おい。まだ読み途中だ。」
「お預けですー。クラピカは寝るか、私と窓の外見るかのどっちかしかしちゃ駄目。」
クラピカ「面倒くさい奴だな。」
「クラピカに言われたくないし。」
クラピカ「何だと？」
その時、車体が大きく揺れて、本を取ろうとするクラピカが私の上に覆いかぶさった。
「「！？」」
わざとじゃないにしろ、男の子に押し倒されている状態な訳で思わず顔を逸らした。
クラピカ「わっ、悪い。」
「わ、わざとじゃないもんね。仕方ないよ。」
彼がどこうとしたとき、丁度誰かが個室の扉を開いた。
？「！？…ご、ごめんなさい。お邪魔だったわね。」
ピシャリと再び閉まる扉の音。
今度は故意に彼と顔を見合わせた。
「クラピカ…」
クラピカ「…やってしまったな。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 172人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かにかま(プロフ) - (名前)さきのさん» コメントありがとうございます。褒められると伸びるタイプなので、そう言って頂けて嬉しいです笑 今後ともお楽しみ頂けますように精進しますね。 (2019年10月1日 0時) (
レス) id: 39e4a96b67 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)さきの(プロフ) - 毎日1話ずつ更新してくださってありがとうございます！1日の終わりにこの小説を楽しみにしています^ ^更新頑張ってください！！ (2019年9月30日 23時) (レス) id: 7fbb21366a (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - 林 香織?さん» 素敵なコメントをありがとうございます！ これから紐解いていくので、楽しんで頂けたらうれしいです(^^) (2019年9月24日 19時) (レス) id: 39e4a96b67 (このIDを非表示/違反報告)
林 香織?(プロフ) - この小説めっちゃ好きです…ヒソカの大事な人の事も気になりますし、不器用な夢主、愛に気づかないクラピカ。めちゃくちゃ面白いです！更新ファイトです！ (2019年9月24日 16時) (レス) id: 3baa06326a (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - 音かなでさん» わわっ！とても励みになるコメントをありがとうございます。これからも楽しんでもらえますように精進しますね。 (2019年9月11日 22時) (レス) id: 39e4a96b67 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かにかま | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/0660ea0a061/
作成日時：2019年9月6日 22時
