来客(2) ページ11
「三郎の友達か?」
「はい!」
「違います。」
一郎の問いかけに、ほぼ同時に真逆の返答をする二人。しかし、三郎の性格をよく知っている兄達にとっては、随分彼らが打ち解けているらしいと一目瞭然だった。
女子だろうと容赦なくキツく睨み付ける三郎を宥めつつ、二郎は彼女との成り行きを話し始めた。
「河川敷のところでキョロキョロしてるAちゃんを見つけたんだ。そしたら、飼い猫が居なくなったっていうからウチで探したらどうかって提案したの。」
「それで二郎さんに連れてきてもらいました。」
「なるほど。」
─名前は?
──たまです。
─毛色は?
──焦げ茶色です。
─特徴とかあるか?
──人見知りする子なのでエサをあげても食べないかも。
そんな問答を聞き流しつつ、興味がないという体を装って三郎は問題集を進めた。section3の問題を丸つけしようとしたところ、その会話に区切りがつき、ふと不安げにAが尋ねた。
「あの……お値段とかってどうなんでしょうか。私、萬屋さんとかよく分からなくて。」
すると、一郎は親指をグッと付き出してニコやかに返した。
「勿論タダだ。」
「え、いいんですか」
「当たり前だろ。三郎のダチなんだから。」
「やったー!」
「ちょっ、こんなの友達じゃないですから!」
先程までの建前も捨てて、食い気味に否定する三郎に三人は笑った。
114人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ヒプノシスマイク」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あぽろ(プロフ) - 描いて下さりありがとうございます…(?)めちゃくちゃいい作品で、びっくりしました…! (2021年5月1日 5時) (レス) id: a236361d3f (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - 茉莉さん» コメントありがとうございます。わー、そうなんですね!茉莉さんの推しのイメージを壊さないように頑張ります(^^) (2020年11月27日 19時) (レス) id: c18fa87c81 (このIDを非表示/違反報告)
茉莉 - 更新お疲れ様です!!強盗役のラップ私も好きですwwしかも三郎くん私の推しなんで我得でしかない…//(キモい) 応援してます〜!! (2020年11月27日 17時) (レス) id: 78857a4183 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:かにかま | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/0660ea0a062/
作成日時:2020年11月26日 1時